【仙台】数的有利が不利になる!? 10対11の攻防に潜んでいた敗着の要因

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2016年08月21日

「(失点前のシーンは)予測と反応ができていなかった」(渡邉監督)

チームの決まりごとを守れなかったことが、そのまま失点に直結。厳しい結果を突き付けられたが、大宮戦で学んだことを血肉にして前進してほしい。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 また、失点シーンからもうちょっとだけ時間を遡ったシーンにも、課題は潜んでいる。大宮のゴールキックを大岩が撥ね返した後だ。セカンドボールに対する反応が、それまでと違って、明らかに遅かった。
 
 再び渡邉監督の言葉を借りる。「特に2トップですね。チームの原則には、2トップが縦関係になってセカンドボールを拾うというものがある。ただ、あの場面ではハモン(・ロペス)とウイルソンのふたりが前に張り出したままで、予測と反応ができていなかった」
 
 映像を見返すと、よく分かる。確かに縦ではなく横関係となっているだけでなく、これといったアクションを起こせていない。なにもせず、ふたりの頭の上をボールが2度通過している。
 
「ゴールを決めてやろうという想いが強かったのかもしれない。しかし、チーム戦術をしっかりとやらなければならず、そこは大いに反省する必要がある。普段通りプレーできていれば、我々がセカンドボールを拾って、もう一度相手を押し込めていたかもしれない」
 
 11対11であれば生じなかったであろう、必要以上の攻め気。それは、チーム戦術の不徹底と言ってもいいだろう。前述した“余裕”に加えて、ここにも数的有利を不利に転換してしまう魔物は潜んでいた。もしかしたらの勝点3はおろか、ほぼ手中にしていた勝点1すらも取り逃した悔しさは、計り知れない。

 それでも、「選手たちはチームでやろうとしていることを意欲的に、前向きに取り組んでいる」のは一筋の光だろう。「タフに戦えており、それがチームの成長につながると確信している」のは指揮官だけではないはず。
 
 この敗戦を教訓にして、下を向かずに進んでほしい。一昨季より、昨季より、チームが進化していることを今日の試合でも実感できているのだから。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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