――　最後に大事なことを。馬場さんには映画の見どころをお聞きします。
 
馬場　今回ジェフさんに全面協力していただいて、練習場やクラブハウスでも撮影させてもらっていますし、大きな意味でのサッカー映画なんですが、選手の華やかな部分ではなく、ピッチ外の厳しい現実にスポットを当てています。プレーではかつての輝きが失われてきて、周囲の自分を見る目も変わっていく。若手の突き上げに遭い、引退していく仲間もいる中で、自分はまだあがくのか、あきらめるのか。現実を突き付けられた31歳の元スター選手の葛藤と成長を描く人間ドラマになっています。

生きてく上で、踏ん張りどころ、頑張りどころは必ずあるし、河野のように、生き方を選択する場面は、誰もが経験することだと思います。自分も演じる中で考えさせられたように、アスリートでなくても共感できる部分が多いので、多くの人の心に響く作品になっていると思います。
 
――　長澤選手には、J2リーグの後半戦に向けた意気込みをお聞きします。
 
長澤　これから夏場を迎えて、いままで積み重ねてきたものが試される時期だと思います。まだまだ上に行けるチャンスはあると思うし、昇格という目標に向けて、みんなで一丸となって、頑張っていきたいです。
 
――　ちなみに、長澤選手はふだん映画は観られますか？
 
長澤　はい。たまに観ます。ネットフリックスとか入っていますよ。
 
馬場　どんなジャンルの映画を観ますか？
 
長澤　学生時代は『マジックアワー』とかコメディが好きでした。最近だと、『八日目の蝉』とか。少し考えさせられる感じの作品も好きです。
 
馬場　どんな時に映画やDVDを観たいと思うんですか？
 
長澤　イメージをつくるために、海外や日本サッカーを観ることが多いんですけど、ずっとサッカーの考えていると、たまに頭の中をリフレッシュしたいなあと思うことがあって。やっぱり映画ってまったく違う世界に連れて行ってくれるというか、考えさせられたり、刺激を受けたりして、「またサッカーをがんばろう」というきっかけにもなります。
 
馬場　今日は、ありがとうございました。撮影の合間に応援に行きます。本当に、ジェフさんが大好きなので。

写真：田中研治
＠ジェフユナイテッド市原・千葉クラブハウス
衣装協力：GOSTAR DE FUGA

映画『U-31』ＳＴＯＲＹ
河野敦彦、31歳。職業・プロサッカー選手。強豪チームにクビを言い渡され、古巣の弱小チーム・ジェム千葉に戻ってきた彼は、そこで再起を賭けることにした。移籍の条件は、背番号『10』を付けること。しかし、待っていたのは、「元・日本代表」というかつての栄光をネタにしようとする経営側の考えと、全盛期を過ぎたにも関わらず背番号『10』をもらった彼に対する、若手選手たちの冷やかな視線だった。それでも、河野は黙々と練習を続ける。やがてそんな彼の姿に、ひとり、またひとりと影響を受けるようになっていく……。これは「戦う」ことを選択したひとりの男の、静かな、しかし内なる熱い思いを描いた魂の物語である――。

原作：綱本将也 漫画:吉原基貴 『U-31』（講談社「モーニング」刊）
馬場良馬 中村優一 
根本正勝 中村誠治郎 ／ 岩永洋昭 高崎翔太 富山えり子 ／ 平畠啓史
谷村美月 勝村政信 大杉漣
主題歌：「原色」ストレイテナー（ユニバーサルミュージック）
挿入歌：「vision」Ash
監督：谷健二
後援：ジェフユナイテッド市原・千葉
配給：トキメディアワークス
公式ホームページ https://u-31.amebaownd.com/