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【高校サッカー】ある双子の物語――マリノスユース戦で2点を決めた弟に、僕は嬉しくも悔しくもある

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2016年04月26日

「次に拓としゃべるのはこのコラムが掲載されてから(笑)」

U-18プレミアリーグで、市立船橋は3節終了時で首位に立つ。MFの西羽拓(8番)は持ち前の打開力とシュートセンスで攻撃陣の主軸を担う。写真:安藤隆人

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 闘将・開と、名門・市船で攻撃のアクセントを加えるリズムメーカーの拓。開に拓のことを突っ込んで聞くと、素直な心境を吐露した。
「プレミアEASTの横浜F・マリノスユース戦で拓が2点を決めた時(2-0で市船の勝利)、親が僕に『拓が決めたよ』と言ってきた。僕は嬉しい気持ちもあるのですが、悔しい気持ちもあります」
 
 彼の口から出た『嬉しい気持ち』という言葉。そこを突っ込むと、「拓の活躍はちょっとは嬉しいです。口喧嘩はよくするけど、活躍する姿は嬉しいんです」と、照れくさそうに返って来た。
 
 すかさず、筆者は「実は仲いいでしょ?」と問いかけると、「いや、良くないです! 悪いです!」と真っ向から否定されたが、それは彼の柔らかい表情が違うことを示していた。それは拓も同じであろう。
 
 ふたりは高校に入って一度だけ対戦したことがある。今年の2月に船橋で成立と市船は練習試合をした。前半は0−0の接戦だったが、後半に市船が拓を投入し攻撃を活性化すると流れが変わり、成立は0−3で敗れた。
 
 試合後、悔しい思いがあったが、開は拓に「俺らのチームはどうだった?」と聞いたと言う。すると拓は「いや、別に……」と素っ気ない対応をした後、「中盤で俺たちの縦パスが簡単に入り過ぎじゃないか」とアドバイスを送ったという。
 
「僕らはお互い強烈なライバル心がある。対戦したら絶対に負けたくない。あいつの活躍を刺激にして、僕も頑張りたい。それはもちろん本人に言ったことはありません、仲悪いですから(笑)」(開)
 
 取材を終えた開は、去り際にこう筆者に話しをした。
 
「次、拓としゃべるのは、このコラムが掲載されてからですね(笑)。今日はありがとうございました」
 
 そこでは一体どのような会話が生まれるのだろうか。去って行く彼の背中を見て、興味を持ったのと同時に、実は『仲の良い』双子のサッカー人生が交差する瞬間が今から楽しみでならなくなった。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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