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教員から44歳でプロレフェリーへ! 昨季のJリーグ最優秀主審の決断【審判員インタビュー|第7回・中村太】

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2024年01月09日

44歳でプロレフェリーの道へ

昨季は自身初となるルヴァンカップ決勝で笛を吹いた。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

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――そういった出会いを経て、おそらく元Jクラブ練習生ということもあり、2007年に2級審判員になってから、2009年に1級審判員、2010年にJ2担当と超特急で上がっていきます。Jリーグ担当になるために、全国地域サッカーチャンピオンズリーグがテストの場になったりしましたか?

「私の場合は、そういったことはありませんでした。年間の割り当てでのパフォーマンスをチェックされていたのでしょうか」

――レフェリーとしての経歴だけを見れば、エリート路線に見えます。

「いえ、決して順風満帆ではありませんでした。2級までは地域サッカー協会の担当ですが、1級審判員になるとJFAの担当になります。1級になるとレフェリーカレッジ出身のレフェリーの方と研修会などで触れ合うことが多くなるんですよね。そこで、レフェリーカレッジを出ている方の知識、判断基準を見て、自分とのレベルの差を痛感しました」

――その判断基準というのは、レフェリーとしての試合数と比例していくのか。もしくは、中村さんはJクラブ練習生としての経験もありますから、レフェリーというよりは選手目線での判断基準になってしまっていたのか。どちらでしょうか?

「私自身、選手経験はプラスだと思っていました。ただ、選手経験から、レフェリングを感覚的に行なっていた部分もあります。たとえば、事象が起きる、どこを見るのか、自分にはどのように見えたか、どのように判断するのか。そこには積み上げた基準もあり、結果として判定となると思うのですが、そこを感覚で判断し過ぎる、あやふやだったと今は思います」
 
――それでも2011年からJ1リーグを担当しています。ある意味では、感覚的なレフェリングでもコントロールできていたということでしょうか?

「ですが、安定していなかったと思います。高いレベルでのレフェリングをするために、先輩たちから色々とアドバイスを頂きました。レフェリーカレッジのように、レフェリーの基本的な部分を学んでいなかったので、扇谷さん、東城(穣)さん、家本(政明)さん、隆治さんたちからの学びは大きかったです。

『レフェリングを掴んだ』という意味では、2021年に隆治さんから色々とアドバイスを頂けたことが大きいです。その時に隆治さんに教えてもらったのが、今、東城さんもJリーグ担当審判員への指導の際に使われるのですが、『ピース』という判定の考え方。事象をどのように掴み、どのような判定に持っていくか」

――起きた事象をパズルの『ピース』のように競技規則の考慮ポイントに当てはめていく感じですね。たとえば、『DOGSO』は四つの『ピース』が必要ですが、『著しく不正なファウルプレー』であれば、ひとつでも大きな『ピース』があれば適用されるというような。

「その『ピース』をしっかりと掴むために、ポジショニングや角度を意識して動かなければいけません。感覚的ではなく、整理されたことで、自分の中で目ざすものがはっきりしたのが、2021年です」

――その翌年の2022年、44歳で中村さんはPR(プロフェッショナルレフェリー)になります。教員であれば、だいたい65歳が定年、PRは定年制ではありませんが、50歳前後がほとんど。中村さんの年齢でのPRは、かなり大きな決断だと思いますが、迷いませんでしたか?

「プロフェッショナルレフェリーのお話が来る前に、教員として教頭先生のお話も頂いていまして、教頭先生になるとJリーグ担当審判員としての活動はできなくなります。その時に、純粋に審判員を続けたいと思ったので、プロフェッショナルレフェリーになりました」

>>>続きは https://www4.targma.jp/fbrj/2024/01/08/post13275/
 
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