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【特別対談】C大阪アカデミー改革の今。風間八宏と丸山良明が推し進める指導者養成プロジェクトとは?

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2023年03月23日

門戸は常に開いている。 ――丸山良明

改革が進むC大阪アカデミー。U-18はプリンスリーグ降格も味わったが、昨夏に行なわれた日本クラブユース選手を制すなどの成果も。(C)cerezo osaka sports club

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――風間さんはこれまで指導者の熱量を各地で経験してきたとも話していました。

風間  昨日も指導者講習会で香川県へ行ってきたばかりだけど、自分たちのチームに指導法を落とし込みたいなど本当に強い想いを持っている。だから今回、ノウハウを自分のチームに持って帰るために受けてもらっても構わないんですよ。

丸山  門戸は常に開いています。同じ目線でみんながつながり、我々がやっていることをぜひ取り入れてもらって、広がってほしい。その結果として選手が多く生み出される環境が日常になれば、それほど嬉しいことはありません。だからこそ今回のプロジェクトは成功させなくてはいけないという使命感もあります

――日本サッカーの発展のためにも。

風間  こういうことが各地域でできれば、日本としてすごく発展すると思うんだよね。誰もが学びたいという熱はある。でもサンプルがなかなかない。例えばプロのチームでひとつのカテゴリーを見に行っても一過性のものになってしまう。でも、セレッソみたいに様々なカテゴリーをつなげて見ることができれば、自分はどこに向いているのか分かる。この環境はプロクラブだからこそできることだと思うし、やっぱり還元していきたいなと。

丸山  私は風間さんの頭のなかをすべてここに注いでもらいたいと思っています(笑)。すべて絞り出してもらうと言いますか(笑)。誤解を恐れずに言うと、こちらがストレートを投げたり、カーブを投げたり、様々なボールをぶつけても、風間さんはどんどん面白いものを返してくれる。言い方が悪いですが、風間さんを生かさない手はないと言いますか。

 クラブがその方向性を決断したなかで、セレッソのサッカーをどういう風にしていくかを考えると、やっぱり大事なのは“個”。これは世界共通です。圧倒的な選手を生み出せるか。決定力の問題も先のワールドカップで指摘されましたが、それに対する答えがここにはあると思っています。
 
――学べることばかりだと。

風間  そもそも指導者が楽しんでいるかという話。みんなもしかしたら「明日負けると俺、首になっちゃうかも」とか、「この人の言うとおりにしなくちゃいけないのかな」とか、「周りはなんで何も言ってくれないんだろう」とか、そういうことを考えているかもしれない。でもセレッソでは先頭に立つマルがブレないし、楽しんでいる。だからこの組織は上手くいっているのかなと。

丸山  風間さんの考えを自分の言葉でどう伝えるかは、非常に難しいです。でもその環境で各スタッフが真剣に向き合ってくれたからこそ、今がありますよね。

風間  だからセレッソには指導者の自然な競争もある。それはいがみあいではなくて、良くなろうとみんなで話し合っている。そういう環境は見たことがなかったから、すごく良い雰囲気だと思う。

 ここでならヨーロッパにないものを作れるとも感じている。ヨーロッパと比べて劣っていると考えてしまうのが日本だけど、明日にだって日本独自のものができたっておかしくない。そのために本当に力を付けなくてはいけないのは指導者で、指導者同士がお互いを見られるということは、選手のことも見られるということ。そこを急いでやっていかないと、選手の時間は早いから、選手がいなくなってしまう。今回の参加者は、高校を出たばかりの人だって構わないわけです。求めるのは本気で臨んでくれる人。

丸山  私の一番のミッションは、まずセレッソでプレーしている選手たちを磨き上げること。今年よりも来年と、どんどん先へピカピカに磨く。観ている方が「すごい!! どうなっちゃっているの⁉」と驚くような光景を早く見せたい。

 同時に僕自身も学び中の身でありながら、湧き上がる楽しさを日々、感じています。少し大きな話になってしまいますが、サッカーの枠を越えた考え方、発想、人生観などにつながるヒントもここにはあります。だからこの空気感にぜひ触れてもらいたい。そして技術は何歳でも上達できます。これは本当です。やればやるほど上手くなる。そしてそれは本気度に比例します。だからこそ、本気の人とぜひ想いを共有したいですね。

――◆――◆――

 これだけ貴重な機会はなかなかないだろう。限られた人数しか参加できないようで、狭き門にもなりそうだが、そのなかでどんな指導者が生まれるのか、非常に楽しみである。

■プロフィール
かざま・やひろ/1961年10月16日、静岡県生まれ。現役時代はドイツやマツダSC(現・広島)などでプレー。引退後は解説者などを務めた後、川崎、名古屋を指揮。独自のサッカー哲学で注目される。2021年にはC大阪アカデミー技術委員長に就任。改革を進めている。

まるやま・よしあき/1974年10月12日、東京都生まれ。現役時代は横浜、山形、新潟やタイなどでプレー。引退後はタイで指導者として活動し、C大阪のトップチームやU-18のコーチ、C大阪U-23の監督などを歴任。2021年からはC大阪アカデミーダイレクターに。

風間塾セレッソ大阪指導者養成所 詳細
https://www.cerezo-sportsclub.com/news/?id=111238

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

※サッカーダイジェスト3月23日発売号から一部加筆修正。

 
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