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【特別対談】C大阪アカデミー改革の今。風間八宏と丸山良明が推し進める指導者養成プロジェクトとは?

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2023年03月23日

感じる指導者の熱。 輪をどんどん広げたい。 ――風間八宏

先日、行なわれた「風間塾」の様子。多くの応募があったという。(C)cerezo osaka sports club

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“風間塾”プロジェクト。その呼び名を訊いただけでも、興味が沸いてくる画期的な取り組みだ。日本サッカーの進化にもつながる指導者の理想的な環境での養成。果たして風間八宏氏を中心としたC大阪アカデミーで今、どんな構想が進行中なのか。丸山良明アカデミーダイレクターと風間氏の“名コンビ”に直撃した。

――◆――◆――
 川崎や名古屋の監督として技術、視野、アイデアなどを生かした魅惑的なサッカーを展開し、“語録”でも周囲を虜にした風間八宏氏を中心にした新たなチャレンジが、今、大阪を舞台に行なわれている。

 風間氏がC大阪のアカデミー技術委員長に就任したのは2021年1月。時を同じくしてアカデミーダイレクターに就いたのがC大阪U-23監督などを歴任した丸山良明氏だ。さらに名古屋時代にコーチとして風間サッカーを支えた島岡健太氏らも集結し、“チーム風間”は様々な変革を進めている。

 最大の目標はサッカーの6項目(「止める」「蹴る」「運ぶ」「外す」「受ける」「見る・見ない」)をベースに、風間氏が就任時に話した「マラドーナのようなワクワクした選手を輩出する」こと。それと同時に指導者の意識改革、輪を広げる仕組みを、知恵を出し合いながら構築してきた。そして2023年春、本格的にスタートさせるのが、一般募集をかけ、一定の期間、実際にC大阪アカデミーの中に入ってもらい、指導者としてのノウハウを惜しみなく伝授する“風間塾”プロジェクトだ。その先にふたりはどんな未来を描いているのか。
 
――先日にも一般募集で参加者を募り、指導法を伝える「風間塾」(この時は一度きり。午前と午後に一回ずつ)を開催し、多くの反響を呼びました。そして今度はその進化版として、一定の期間、複数人にC大阪のアカデミーでともに活動してもらい、ノウハウを伝授する特別プロジェクトを計画されているようですね。まずこの活動の背景から教えてください。(編集部・注/インタビューは3月15日に実施)

風間  最初の目的はセレッソの指導者を増やしたいということ。背景としては、ここ2年、セレッソのすべての年代の指導者たちが垣根なく、みるみる変わってきて、目が揃ってきた。そして子どもたちも年齢関係なくつながってきた。だからこそ、その輪をより広げるために指導者を増やしたいなと。これまでは人材が足りないところに補充して、考えを共有するやり方でしたが、新たな段階として先に指導者を生み出すようにしたいというのが狙いのひとつです。

 もうひとつは、指導者講習会などで全国を回らせてもらい、セレッソのスペトレ(※)にもすごく多くの人が来てくれている。そこで感じるのが、指導者の方々の“知りたい”という熱量。だったら“風間塾”と題し、『ノウハウを知りたい人は集まれ!!』と活動をするのが良いのかなと。

丸山  まず『風間塾セレッソ大阪指導者養成所』という名前でスタートを切りたいと考えています。やはり目的としては今、風間さんが話してくれたこと。そして我々としても今のコンセプト、技術を生かした圧倒的な選手を育てるという面を広げていきたいとの想いがあり、改めて我々の中への発信と外への発信ができる良い機会だなと思っています。

 他のJクラブさんだとなかなか実現が難しい取り組みなのかもしれませんが、セレッソとしてはこの機会を逃したくない。もちろんこの2年もタイミングを図ってきましたが、コロナの状況もあり、ようやく準備が整った印象です。いよいよスタートできると非常に楽しみですね。

――温められてきたプロジェクトということですね。

風間  もちろん。今日もこの取材の前に指導者講習会を行なわせてもらいましたが、初めの頃と大きく変わっているよね?

丸山  はい、大きく異なりますね。

風間  そういう意味では輪をどんどん広げていきたい。本気の人はどんどん上達する。それを伝えたいと、ずっとマルらと話していたんだよね。

丸山  そうですね、そしてやはり最終的には“面白い”選手を生み出したい。私たちは夢・希望・感動をキーワードに、エンターテインメントを謳っているなかで、観る人たちが面白い、あっと驚くような『こんな選手が⁉』『こんなプレーが⁉』という部分を大切にしています。そうした選手を生み出すクラブでありたいですし、そのメソッドを我々は持っているだけに、広げていきたい。

 そして、そういう指導ができる人が増えれば、必然的に選手も増える。風間さんもよく言いますが、ひとりで教えられる人数には限りがあります。でも指導者が増えれば、何千何万の選手に関われます。だからこそ、同じ目を持った指導者を生み出し、可能性を広げたいんです。

 もしかしたら日本にはまだまだ才能のある子が眠っているかもしれません。彼らを開花させ進化させるキッカケになるんじゃないかとも考えています。その面で日本サッカーに対する問題提起になるかもしれません。ぜひとも成功させたいプロジェクトですね。

風間  あとはクラブとして地域還元もしていきたい。今は学校でサッカー部を教えられる人がいないという問題もある。そうしたなかで、同じメソッドを持った人が広がれば地域の活性化にもつながる。セレッソからだけでなく、地域の学校などからも選手を輩出できれば、それこそ有能な人材が生まれる可能性は高まる。でもそう考えると、やっぱり指導者の数がまだ足りないんですよ。

※スペトレとは?→スペシャルトレーニングの通称で、こちらも画期的な取り組み。小学生から高校生など様々な年代の選手が同じピッチでトレーニングすることで多くの気付きが生まれる。「同学年同士のプレーとはまったく違う状況で得られる刺激はすごく大きい」と風間氏。選手だけでなく、指導者のつながりができるというメリットも。
 
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