「辛かった」伊東純也に慰められた苦悩の1年目を経て…レギュラーを掴んだコルトレイクの渡辺剛。新加入の田中聡は“本音”「長所がベルギーでは通用しない」【現地発】
カテゴリ:海外日本人
2022年11月16日
「練習でミスすると『おい!』って言われるんですよ」
相手の懐に入っていくようにアプローチし、アグレッシブにボールを奪う強気な守備。味方のミスをカバーする献身性。しかし、一旦ボールを持つと突如、プレーが剛から柔に変わり、テクニックで観客席を沸かせた――。田中のプレーは見ていて気持ちよかった。
「今日はたまたま調子が良かったんです」と本人は明かす。
「前回、前々回はあまりよくなかった。僕はあんまりメンタルが強くないので、やっぱり剛くんがそういうときにいると心の拠り所のように話すことができます。サッカー面でも私生活でもほんとうに助けてもらってます」
勝ち気なプレーと似ても似つかぬ素顔を見せる青年がそこにいた。
「今日はミスなく試合に入ることができたのでよかったんですが、練習でちょっとミスすると、こっちは『おい!』って言われるんですよ。しかも何を言ってるかわからないし。でも俺に言ってるんですよ。すると俺、すぐ凹んじゃうんです。それでプレーの自信を失いボールを受けたくなくなるとか、思いっきりの良さをなくしてしまう。今日は比較的楽しくプレーできたんですが、ベルギーに来てからはそういう(凹んだ)時期がありました」
「今日はたまたま調子が良かったんです」と本人は明かす。
「前回、前々回はあまりよくなかった。僕はあんまりメンタルが強くないので、やっぱり剛くんがそういうときにいると心の拠り所のように話すことができます。サッカー面でも私生活でもほんとうに助けてもらってます」
勝ち気なプレーと似ても似つかぬ素顔を見せる青年がそこにいた。
「今日はミスなく試合に入ることができたのでよかったんですが、練習でちょっとミスすると、こっちは『おい!』って言われるんですよ。しかも何を言ってるかわからないし。でも俺に言ってるんですよ。すると俺、すぐ凹んじゃうんです。それでプレーの自信を失いボールを受けたくなくなるとか、思いっきりの良さをなくしてしまう。今日は比較的楽しくプレーできたんですが、ベルギーに来てからはそういう(凹んだ)時期がありました」
ヘントにはホン・ヒュンスクという売出し中の韓国人アタッカーがいる。前半、田中はそのホンに激しいデュエルを仕掛けてボールを奪うと、今度はテクニシャンの姿を見せてホンを翻弄しパスを繋げた。それから1分後、田中はホンからお返しのファウルを受けている。後半には元ベルギー代表のMFクムスのトラップ際に詰めてボールに触り、レートファウルをしたクムスを退場に追い込んだ。
「今日はメンタルを保てたので。最近、『サッカーはメンタルスポーツだな』と身にしみてます」
ベルギーに来て感じたのはフィジカルとスピードだ。
「『対人・球際では負けない』という自分の長所が、ベルギーでは通用しないというのを感じます。『これ、取れる』と思って行っても、スピードで入れ替わってしまうことや、自分が倒されていることがある」
0-4で大敗した悔しさから、試合が終わると真っ直ぐ更衣室へ向かったチームメートが多い中、田中はファンへの挨拶に残った数少ない選手の一人だった。
「コルトレイクのサポーターは負けてもすごく応援してくださるのでありがたい。感謝しないといけない。そういう人としてのことはプレーにもつながってくると信じてます」
そして、田中は続ける。
「コルトレイクは本当に自分のレベルに合っていると思う。すごく上のチームに行って試合に出ないのも良くない。良いチームに入りました。だけど、コルトレイクはそんなにボールをつなげるチームじゃない。そこで、どれだけ自分がチームを助けることができるか。それが今後の自分にとって経験になると思うので、ポジティブに取り組んでます」
11月に欧州遠征するU-21日本代表のメンバーに田中の名はない。パリ五輪に向けてこれからの巻き返しを次のように誓った。
「ジョエルくん(藤田譲瑠チマ/横浜・Fマリノス)、リヒトくん(山本理仁/ガンバ大阪)とか良いボランチがこの世代にはいっぱいいます。今は自分の序列はまだ下なので、追い越せるように頑張りたいと思います。普段の練習から頑張ります!」
取材・文●中田 徹
「今日はメンタルを保てたので。最近、『サッカーはメンタルスポーツだな』と身にしみてます」
ベルギーに来て感じたのはフィジカルとスピードだ。
「『対人・球際では負けない』という自分の長所が、ベルギーでは通用しないというのを感じます。『これ、取れる』と思って行っても、スピードで入れ替わってしまうことや、自分が倒されていることがある」
0-4で大敗した悔しさから、試合が終わると真っ直ぐ更衣室へ向かったチームメートが多い中、田中はファンへの挨拶に残った数少ない選手の一人だった。
「コルトレイクのサポーターは負けてもすごく応援してくださるのでありがたい。感謝しないといけない。そういう人としてのことはプレーにもつながってくると信じてます」
そして、田中は続ける。
「コルトレイクは本当に自分のレベルに合っていると思う。すごく上のチームに行って試合に出ないのも良くない。良いチームに入りました。だけど、コルトレイクはそんなにボールをつなげるチームじゃない。そこで、どれだけ自分がチームを助けることができるか。それが今後の自分にとって経験になると思うので、ポジティブに取り組んでます」
11月に欧州遠征するU-21日本代表のメンバーに田中の名はない。パリ五輪に向けてこれからの巻き返しを次のように誓った。
「ジョエルくん(藤田譲瑠チマ/横浜・Fマリノス)、リヒトくん(山本理仁/ガンバ大阪)とか良いボランチがこの世代にはいっぱいいます。今は自分の序列はまだ下なので、追い越せるように頑張りたいと思います。普段の練習から頑張ります!」
取材・文●中田 徹