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G大阪史上最高の助っ人と断言できる。チームを救ったブラジル人はパトリックだけだった【番記者コラム】

カテゴリ:Jリーグ

下薗昌記

2022年11月10日

日本語でサポーターへの想いを伝えたいという流儀

G大阪退団が決まったパトリックは「今クラブを出ることになるのは想像していなかったです」と別れを惜しんだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 G大阪では最後の公式戦出場となったアウェーの鹿島アントラーズ戦後、安堵感を見せながらミックスゾーンに姿を表したパトリックと筆者のやり取りは、側から見ると風変わりに見えただろう。

 ポルトガル語で質問する日本人記者に対して、ブラジル生まれのストライカーはすべての質問に対して日本語で答えを返してきた。

「サポーター、とても嬉しい。選手、とても嬉しい。スタッフ、とても嬉しい、今日」

 DAZNのフラッシュインタビューなどでもお馴染みの光景だが、通訳を通じた言葉でなく、自身が口にする日本語でサポーターへの想いを伝えたい、というのがパトリックの流儀なのだ。
 
 鹿島戦から2日後の11月8日、G大阪はパトリックとの契約が今季で満了すると発表した。

「今クラブを出ることになるのは想像していなかったです」。クラブを通じて発表したコメントからも、自身が望んだ契約満了でないのは明らかだが、功労者にもいつかは別れが来るのがサッカーの世界。

「脱パトリック」へと舵を切ったクラブの判断は決して間違いではない。ただし、それは来季パトリックの不在を感じさせない補強が大前提ではあるが……。
 
 自身の感情を表現する時「メチャ」という言葉を用いることが多かったパトリック。

 もはやポルトガル語で別れを伝える必要はないだろう。

「ありがとう、パト。そしてメチャ、寂しいよ」

 筆者の率直な思いである。

取材・文●下薗昌記(サッカーライター)
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