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なぜ横浜は優勝できたのか。固定観念の打破と嬉しい誤算、指揮官の線で考える采配。そして宮市亮という存在

カテゴリ:Jリーグ

藤井雅彦

2022年11月06日

全員が背番号17のユニホームに袖を通しエール

一体感の象徴となる存在だった宮市。その人間性に周囲が衝き動かされ、それがエネルギーに変わっていった。(C)SOCCER DIGEST

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 年月をかけて醸成してきたチームワークにも触れなければならない。

 約30人が同じ釜の飯を食いながら前へ進んでいくなかにも、試合に先発する11人、ベンチスタートの7人、それ以外のメンバーに区分されていく。その境界線が薄ければ薄いほど、チームとしての一体感を保ちやすいのは言うまでもないだろう。

 その点で今季の象徴となった選手が、宮市亮だ。

 開幕当初はウイングの控えという位置付けに過ぎなかった。ベンチ入りすらままならず、試合日はメンバー外のひとりとして10人に満たない人数で汗を流すことしかできなかった。

 それでも過密日程がきっかけで出場機会を得ると、自身の力でチャンスを掴み取る。横浜の一員として結果を残し、7月には10年ぶりの日本代表復帰も果たした。復活のストーリーはあまりにも美しく、誰もが応援したくなる実直な性格も大きな魅力になっていた。

 しかし代表戦で再び重傷を負い、今季絶望のどん底に突き落とされる。アップダウンが激しすぎるキャリアに「引退することも考えた」とこぼすのも無理はない。
 
 手を差し伸べたのは、最も近くで時間を過ごした仲間たちだ。負傷直後のリーグ鹿島戦、ウォーミングアップと試合後に全員が背番号17のユニホームに袖を通し、本人へエールを送る。仲間であり、ライバルであり、そしてファミリー。喜びや楽しさを分かち合うだけでなく、悔しさや辛さも共有する。横浜が思い描く家族像は、宮市という存在によって図らずも鮮明に映し出された。

 2019年は大津祐樹(現・ジュビロ磐田)が縁の下の力持ちとなってチームを支えた。プレータイムは短くとも、献身性と自己犠牲でグループをまとめ上げた。

 2022年は宮市の人間性に周囲が衝き動かされ、それがエネルギーに変わっていった。優勝後、キャプテンの喜田が掲げたシャーレは、次に宮市へ手渡された。

 力強く掲げたシャーレの輝きは、ファミリーの絆そのものだった。

取材・文●藤井雅彦(ジャーナリスト)

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