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【アナリスト戦術記】なぜマンCは守備を固められても得点を奪えるのか。Jクラブも真似できないはずがないプレミア王者の攻撃

カテゴリ:連載・コラム

杉崎健

2022年09月02日

得点が奪えない典型は、ボックス内に人がいないこと

シティに似た戦術の横浜。24試合を消化し総得点51はダントツの数字だ。(C)SOCCER DIGEST

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 Jリーグで少し似ている戦術をとっているのは横浜F・マリノスだが、川崎フロンターレだとしても、別のクラブだとしても、中央でのキープから中央にスルーパスを通すチームは数少ない。まずはサイドで起点を作り、クロスかハーフスペースを狙うかを選択するチームが多い印象だ。

 相手からすれば、中央から通されてはゴールへの最短距離なので防ぎたい。ボランチの守備範囲を広くする必要もあり、CBは不用意に前に出られなくなる。となればSBやサイドハーフも絞るため「中央集中の型」となり、サイドのサポートが遅れる。これを利用し、シティは敵陣での攻撃において幅を目一杯使おうとする。

 フォデンやベルナルド・シウバ、マハレズらが構え、確実に時間を作りながら、クロスかスルーパスかシュートか、という敵陣攻撃だからこそ起こるイベントを作り出す。そして、インサイドハーフがインナーラップしたり、時にSBがオーバーラップしたり、相手を混乱させようとする。それに対応しようと、また相手がサイドに厚みを増してくれば、中に戻して裏を狙う。ニューカッスル戦の3点目がそれだ。

 敵陣攻撃において崩しの種類が多様であり、時間を作るからこそペナルティエリア内にも人数を多くかけられる。
 
 得点が奪えないチームの典型は、ボックス内に人がいないことだ。それによりピンポイントでパスを合わせないといけない。シティの遅攻における得点シーンは、ボックス内に5人も入っている場合がある。Jリーグにおいて、シュートシーンで中に5枚入っているシーンはどれだけあるか。チェックしてみても面白いだろう。

 選手個々のレベルが高いからなどのエクスキューズは置いておき、戦術面のみを見たときに、Jクラブでも真似できないはずがない。同じ人間なのだから。戦術の進化は必ずしも国外からの「輸入」でなくても良いが、効果的で魅力的なのであれば、「良いとこ取り」しても良いと思う。

【著者プロフィール】
杉崎健(すぎざき・けん)/1983年6月9日、東京都生まれ。Jリーグの各クラブで分析を担当。2017年から2020年までは、横浜F・マリノスで、アンジェ・ポステコグルー監督の右腕として、チームや対戦相手を分析するアナリストを務め、2019年にクラブの15年ぶりとなるJ1リーグ制覇にも大きく貢献。現在は「日本代表のW杯優勝をサポートする」という目標を定め、プロのサッカーアナリストとして活躍している。Twitterやオンラインサロンなどでも活動中。

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