真似ようにも難しい。相手を見ながら前進する術の変更
まず自陣での攻撃について。引いて守る相手が多いなか、仮にハイプレスできたとしても形と狙いがある。ジョアン・カンセロとカイル・ウォーカーの両SBは、中に入ってロドリと近づき、CBがペナルティ幅くらいに開いて「2−3」を作る。これも必ずではない。始めから相手が中に人数をかけるなら彼らは「開く」し、低く待つこともある。要は相手を見ながら前進する術を変えるのだ。
Jリーグで現場を経験した身からすると、これが最も難しい。相手を見ながらピッチ内で対応しようと口で言うのは簡単だが、実際にプレーする選手からすれば「言うは易し」だ。
クリスタル・パレス戦では、1-2とビハインドを負い、得点を奪いに行かないといけない状況の61分、カンセロとリャド・マハレズに代えてギュンドアンとフリアン・アルバレスを投入。そして、ウイングのフィル・フォデンを左SBに下げた。最初の数分は癖で外に開いていたが、例えば80分のシーンではカンセロと同じく中に入ってボールを受けた。誰が出ても同じことを求めている証拠でもあるシーンだった。
相手からすれば、両SBが中に入ってくるので、ボールを奪えれば、その裏のスペースが使える。まして中央にボールをつけてくれれば、ボランチが前に出たり、サイドハーフが中に絞ったり、FWがプレスバックして挟んで奪いやすい。ところが、シティはお構いなしに中央にパスをつけてくる。
SBを中に入れている理由はおそらく2つあり、相手が中を締めるならウイングへ一発でパスを通せること。もう1つは意外に重要だと設定しているはずで、中を使って時間を作ることで相手の最終ラインを広げる狙いがあると思われる。
Jリーグで現場を経験した身からすると、これが最も難しい。相手を見ながらピッチ内で対応しようと口で言うのは簡単だが、実際にプレーする選手からすれば「言うは易し」だ。
クリスタル・パレス戦では、1-2とビハインドを負い、得点を奪いに行かないといけない状況の61分、カンセロとリャド・マハレズに代えてギュンドアンとフリアン・アルバレスを投入。そして、ウイングのフィル・フォデンを左SBに下げた。最初の数分は癖で外に開いていたが、例えば80分のシーンではカンセロと同じく中に入ってボールを受けた。誰が出ても同じことを求めている証拠でもあるシーンだった。
相手からすれば、両SBが中に入ってくるので、ボールを奪えれば、その裏のスペースが使える。まして中央にボールをつけてくれれば、ボランチが前に出たり、サイドハーフが中に絞ったり、FWがプレスバックして挟んで奪いやすい。ところが、シティはお構いなしに中央にパスをつけてくる。
SBを中に入れている理由はおそらく2つあり、相手が中を締めるならウイングへ一発でパスを通せること。もう1つは意外に重要だと設定しているはずで、中を使って時間を作ることで相手の最終ラインを広げる狙いがあると思われる。
3トップが開き、さらに中央で持たれるため、相手の最終ラインは4枚でも5枚でも、どちらのサイドに来るのか予想しにくく、マーキングにより距離感が広がってしまう。もし距離感を空けてしまえば、ウェストハム戦の64分や、ニューカッスル戦の61分のように真ん中からケビン・デ・ブライネがスルーパスを通したり、クリスタル・パレス戦の22分のように、フォデンが同じくアーリング・ハーランドに向けてスルーパスを通したりできる。
セオリー的には上述のように、センターサークル付近でボールを長く持てば、囲まれる可能性とボールを失うリスクが発生するので、ほとんどのチームはすぐサイドを起点にしたがる。シティはその逆をいこうとしている。サイドの攻略は敵陣攻撃で十分で、その準備段階として自陣攻撃やミドルサードでは中央で相手の的を絞らせない意図があるようにも見える。
これは真似ようにも難しい戦術だ。ボールを失わない技術を持った選手が複数人必要だし、インサイドハーフの逃げ道を作る動き出しとタイミングが求められ、ウイングやFWは相手のラインを上げさせない圧力を備えてなければならない。
セオリー的には上述のように、センターサークル付近でボールを長く持てば、囲まれる可能性とボールを失うリスクが発生するので、ほとんどのチームはすぐサイドを起点にしたがる。シティはその逆をいこうとしている。サイドの攻略は敵陣攻撃で十分で、その準備段階として自陣攻撃やミドルサードでは中央で相手の的を絞らせない意図があるようにも見える。
これは真似ようにも難しい戦術だ。ボールを失わない技術を持った選手が複数人必要だし、インサイドハーフの逃げ道を作る動き出しとタイミングが求められ、ウイングやFWは相手のラインを上げさせない圧力を備えてなければならない。