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【独占手記|田中隼磨】山雅の“原点回帰”を体現するために。必死のリハビリに励む背番号3のサッカー人生を賭けた最後のチャレンジ

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2022年04月27日

「変えてはいけないものも沢山ある」

今も凄まじい情熱をサッカーと山雅に注ぐ。「全力を尽くしたい。それが今の偽らざる本音」。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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「『原点回帰』を掲げる今こそ、山雅が積み上げたものを表現することが自分の仕事。もちろん変えなければいけないことも沢山あります。だけど、変えてはいけないものも沢山あるんです」と強調する田中は、苦しいリハビリを強いられる今も自らを力強く鼓舞し続けている。

「J1初昇格した2014年シーズンなんかは、クラブの流儀を全員が共有できたのが大きかったんですよね。忘れられないのが、1勝もできなかった9月。(船山)貴之(現・相模原)や(岩間)雄大(現・藤枝)、喜山(康平/現・岡山)や飯田(真輝/現・山雅スタッフ)が『このままやってて勝てますかね』と不安を僕に口にしたことがありました。

 そこで、監督のソリさん(反町康治/現・日本サッカー協会技術委員長)は『もう一度、(気持ちを)結び直してちゃんとやれ』とミーティングで言った。ソリさんの『ちゃんとやれ』が何なのかは選手全員が理解していました。サッカーの戦い方や技術のことは一切言わなかったけど、規律を叩き込んで、日々の積み重ねをしっかりと出せという意味なんだとみんなが受け取った。もちろん僕自身もそう思いましたね。

 そして、次の横浜FC戦で圧勝した。東京・西が丘サッカー場はアウェーなのに山雅のホームと言ってもいい雰囲気で、12人どころか13人で戦っている感覚だった。あの試合ですべてが吹っ切れて、最後まで走り抜けたんです。

 今も新たな監督と新たなチームメイトと自分たちの『流儀』を全員が共有し、同じ方向を目指して戦うことの重要性は変わらない。今年、山雅は『ホーム観客1万人』という目標を掲げていますけど、応援してくれる人たちが納得してくれるクラブになるために、僕は全力を尽くしたい。それが今の偽らざる本音です」
 
 田中の口を突いて出る言葉には重みがある。凄まじい情熱でサッカーやクラブと向き合う39歳の大ベテランがピッチに戻ってけん引役になり、1年でのJ2復帰を果たせれば、山雅にとって理想的なシナリオではないか。

 J3は想像以上に難しいリーグではあるが、この壁を超えていかなければ、明るい未来は開けてこない。そのためには、4月のU-19日本代表候補合宿に初招集された横山歩夢ら若手が成長曲線を引き上げ、中堅以上も総合力を高めることが肝要だ。

 山雅の原点回帰を体現すべく、田中は今の自分にできることを、すべてやっていく覚悟だ。これはサッカー人生を賭けた最後のチャレンジになるだろう。

取材・文●元川悦子(フリーライター)
 
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