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「完璧なマシンも実は危うかった」元日本代表監督トルシエが見た森保Jの最終予選ラスト2試合「自信を持って戦えば可能性も開ける」

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年04月05日

今の日本に世界のトップと言える選手はいない

ベトナム戦では先発9日を入れ替え。「森保がこの試合をラボラトリー(実験室)として活用したのは悪いことではない」。写真:田中研治(サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影)

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 出場機会に恵まれなかった選手たちにプレーの時間を与える戦略は悪くない。彼らへの信頼を示すことであり、同時にワールドカップに向けての準備でもある。予選を通して森保が維持したのは、実質14~15人のグループだった。グループを必ずしも大きくする必要はないが、ワールドカップまでに多くの試合があるわけでもない。

 だから彼は出場の機会がなかった選手たちに、彼らもまた頼りにしているというメッセージを送りたかった。勝利が絶対に必要であれば、彼はオーストラリア戦と同じ11人で試合に臨んだだろう。だが彼は、グループにメッセージを送れないことのほうが深刻と考えた。

 選手たちの心理面を考慮しての決断であり、結果には失望したが、森保がこの試合をラボラトリー(実験室)として活用したのは悪いことではない。

 ワールドカップ本大会に向けて、森保にやれることは多くはない。スタメンを構成する彼のグループは、現状では多く見ても15~16人だ。彼らはヨーロッパのビッグクラブでプレーしてはいない。才能に溢れてはいるが、世界レベルで見ればごく普通の選手たちだ。トップクラスというわけではなく、今の日本に世界のトップと言える選手はいない。

 だが、それでも日本が素晴らしいチームになることは十分に可能だ。今も日本は規律に溢れた好チームで、コンディションさえ整い、メンタル面の準備も万端であれば、豊富な運動量とスピード、パスワークをベースにした素晴らしいプレーを展開できる。

 ただ、軸となる選手がいないし、個性の際立った選手もいない。リーダーとなるべき選手も欠いている。このチームのリーダーは、調子が良いときのチームそれ自体だ。
 
 森保の選択肢は限られている。世界的に見たらチームはごく普通で、コレクティブな力は感じるが、誰か特定のリーダーに導かれているわけではない。今後、強力な戦力が加わる可能性もない。

 私はこのチームが、何か特別な野心を掲げるのは難しいと思う。日本はベーシックなチームであり、相手を震えさせることのない平均的なチームだ。その最大の特質はコレクティブなもの――規律や組織力――にある。

 ワールドカップに向けて、森保がチームを大幅に強化できるとは思わない。チーム力は今以上にはならない。彼にできるのは選手に自信を与えることであり、彼らの使命感を鼓舞することだ。

 もちろん対戦相手を分析して戦略も立てられる。そこを踏まえたうえで、チームは自信を持って戦うべきだ。そうすれば可能性も開けてくるだろう。

取材・文●田村修一

【PHOTO】埼玉スタジアムに駆けつけた日本代表&ベトナム代表サポーター!
 
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