劇的な幕切れとなったのが奈良決勝だ。前半24分、左ＣＫから幸田のバックヘッドで五條が先制。以降、相手の堅陣をなかなか切り崩せなかった奈良育英だったが、最終盤に執念を実らせる。まず後半36分にリスタートからのこぼれ球を山尾が押し込んで同点にすると、アディショナルタイム３分、右ＣＫから途中出場の瀧がニアヘッドで豪快に決め、あっという間に逆転に成功したのだ。名門は実に10年ぶりの檜舞台復帰となる。

　大分予選を制したのは中津東だ。大分工との伝統校対決となった決勝戦は、序盤からともにインテンシティーが高く、熾烈な攻防戦が繰り広げられた。拮抗した０-０のまま前半を折り返すと、ようやく後半17分にゴールは生まれる。中津東の中島のパスに呼応した吉岡が巧みに裏へ抜け出し、大分工DFが思わずエリア内でファウル。中島がこのPKを冷静に決めて先制点とした。その後は大分工の波状攻撃に苦しめられたが、なんとか凌ぎ切ってシャットアウト。アディショナルタイムに今池が追加点を挙げた中津東が、７年ぶり５回目の本大会行きを確定させた。

［11月14日の予選決勝結果］
埼　玉：西武台 1-0 浦和南
千　葉：流経大柏 2-1 市立船橋
愛　知：中部大一 1-0 名古屋
奈　良：奈良育英 2-1 五條
広　島：瀬戸内 2-1広島皆実
山　口：高川学園 3-0宇部工
福　岡：東福岡 2-1 飯塚
長　崎：長崎総科大附 2-0 創成館
大　分：中津東 2-0 大分工
 

　11月14日現在で本大会出場を決めているのは46校で、残るはあと２枠。本大会の抽選会は先立って明日15日にオンラインで実施され、23日の群馬決勝（前橋育英vs桐生一）、12月5日の茨城決勝を経て全出場48校が出揃う。

　第100回の節目を迎える本大会は12月28日に開幕し、1月10日に決勝が行なわれる。8年ぶりに新装なった国立競技場が使用され、開会式／開幕戦、準決勝、そして決勝の舞台となるのも注目だ。

構成●高校サッカーダイジェスト編集部

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