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フランス代表のNL初戴冠の舞台裏。全てを変えたベルギー戦のHT、ロッカールームで何が起きていたのか?【現地発】

カテゴリ:ワールド

結城麻里

2021年10月11日

こうしてEUROで失敗したフランスの逆襲が始まった

準決勝のベルギー戦ではテオの劇的な勝ち越しゴールで、2点差をひっくり返した。(C)Getty Images

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 こうして後半開始5分前になると、沈黙は行動に変わった。トイレに行く者、ユニホームを着替える者、食ベ物を補給する者…。そして自然と、ポジションやステータスなどに沿って小さなグループができ、議論と確認が始まった。プレッシングのかけ方調整、走り方や動き方の相互理解、互いのモチベーションアップなどだった。

 デシャン監督、ポグバ、ヴァランヌ、アントワーヌ・グリエーズマンが、もう一度「ブロックをもっと絞れ」「もっと高い位置でプレッシングする必要がある」と駄目押しした。ここでもポグバが、大声でハイプレッシングを強調したという。

 議論はピッチ入場前の廊下でも続き、リラックスしたベルギー選手たちとは対照的に、フランス選手たちの顔は引き締まっていた。

 こうしてポグバを先頭に全員がハイプレスとインテンシティ注入を実行。やがて才能がモノを言い、キリアン・エムバペのパスからカリム・ベンゼマがネットを揺らし、グリエーズマンがゲットしたPKをエムバペが決め、最後にテオ・エルナンデズが豪快に初ゴールを叩き込んで、試合をひっくり返したのだ。
 
 それは、EURO2020で失敗したフランスが、逆襲に出た瞬間でもあった。PK戦での失敗が「キャリアの汚点になった」と認めたエムバペも、猛烈なPK弾でリベンジを果たし、強靭なメンタルを再証明。ポグバも、ロシアW杯のリーダーシップを再び開花させた。明晰なデシャンという“将軍”も、堂々の復活を遂げた。

 そして3日後、スペインにも逆転勝利した。1点リードされるや、2分後にはエムバペのパスからベンゼマのゴラッソが生まれ、次いで猛スピードで走り出たエムバペが決勝弾を決めた。

 ネーションズリーグは歴史が浅い(2回目)が、世界的強豪の激突はハイレベルだった。その銀のトロフィーを次々夜空に掲げた選手たちは、まるでW杯でも手にしたように笑顔を弾かせ、ひとつになっていた。

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 レ・ブルーには、まだまだ波乱や苦境が襲い掛かるだろう。団結はいつも、クリスタルのように美しく、もろいからだ。だがもしかすると、カタールW杯に向けたフランス代表のリベンジが、このハーフタイムに始まった…のかもしれない。

取材・文●結城麻里
text by Marie YUUKI

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