【鹿島】柴崎岳――全3ゴールを演出。際立った「背番号20」が示した凄味とは?

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2015年06月21日

「しっかりとチャンスを作り出すパスを供給したい」(柴崎)。

相手DFの伸ばした足はギリギリで届かず。足もとにピタリとつけるスルーパスで土居のゴールをアシストした。(C)SOCCER DIGEST

画像を見る

 淡々と言葉を紡ぐ姿からは、揺るぎない意志の強さが感じられた。
 
「今日の試合に満足せず、継続することが大事」
 
 まさかのスコアレスドローに終わったワールドカップ・アジア2次予選のシンガポール戦では、勝利に導けなかった責任を感じているはずだ。拭い難い悔しさを次にどうつなげていくべきか。その答を、横浜戦のピッチで表現できたのではないだろうか。
 
「しっかりとチャンスを作り出すパスを供給したいし、そのチャンスは作れていたと思います。より決めやすいボールを、味方に良いパスを供給するのが僕の役目」
 
 その意味で、横浜戦では決定的な仕事を強く意識していたかと聞けば、「一番はそうですけど」と頷いた後、次のように続ける。
 
「流れを崩さないことも大事。良い流れをゴールまで持っていけるようなパスも重要で、直接ゴールにつながるパスだけが重要だとは思っていないです」と、チームをオーガナイズすべき司令塔としての役割についても言及する。
 
 横浜戦ではボランチでスタートし、終盤はトップ下でプレーしたが、「役割は違いますし、僕としてはどちらでも楽しみな部分はある。ふたつのポジションで結果を出せて良かった」と、静かな声に安堵感が滲む。
 
 代表戦では周囲をガッカリさせたかもしれないが、久々のJの舞台では、改めてそのスペックの高さを存分に見せつけた。
 
 すっと背筋が伸びた、凛とした佇まいから、難しいプレーを簡単にこなしてみせる。
 
 どれだけハイパフォーマンスを見せても、決して満足せず、課題を見つけ出し、意識を高く持って、さらなる進化を追求する。
 
 鹿島だけでなく、次世代の日本代表を背負うことが期待される柴崎が次なる一歩を力強く踏み出した。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
【関連記事】
【ルーツ探訪】テネリフェ移籍が決定した柴崎岳が貫く“ぶれない信念”の原点とは
【J1採点&寸評】横浜×鹿島|圧巻の3ゴールで鹿島が横浜を完膚なきまでに叩きのめす
【日本代表】「スイッチを入れるパス」で3得点を演出。高まる柴崎岳への期待と要求
【日本代表/エリア別検証】大胆さに欠けたボランチが停滞を招いた一因に
ひとり歩きした3000億円――新国立競技場の建設計画が迷走している理由

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ