メッシ退団の原因となったリーガ特有の経費計上方法とは?
今回、メッシが退団する原因となった要素は、実はもう一つありました。それは、カンテラ(下部組織)育ちの選手の人件費に関するリーガ特有の経費計上方法です。
カンテラ育ちの選手がそのままトップチームに昇格した場合、その選手の給与はリーガでは無形固定資産として貸借対照表に計上することが許されており、人件費として計上されていないケースが少なくありません。
スポーツクラブの場合、選手の人件費(コスト)が通常の会社組織に比べてどうしても多くなってしまい、予算を圧迫してしまう状況が目立ちます。さらに、サラリーキャップ制があるわけですから、人件費をいかに小さく見せるかは重要です。そのため、カンテラ上がりの選手の給与は人件費に計上せず、いわば“隠れ資産”のようになっているのです。
ただ、一度契約が切れて再契約するとなると、その瞬間に隠せない(表に出さざるを得ない)数字となり、人件費の部分に上乗せされてしまうのです。周知のとおり、メッシはまさにそのカンテラ出身の選手で、長年に渡って表向きは人件費に計上されていなかったといえます。今回は短い時間では有りましたが、一度契約切れてしまいました。再契約するとなると改めて人件費に計上しなければなりませんから、その年間7000万ユーロ(約90億円)近いとされる年俸が表面化してしまったということになります。
カンテラ育ちの選手がそのままトップチームに昇格した場合、その選手の給与はリーガでは無形固定資産として貸借対照表に計上することが許されており、人件費として計上されていないケースが少なくありません。
スポーツクラブの場合、選手の人件費(コスト)が通常の会社組織に比べてどうしても多くなってしまい、予算を圧迫してしまう状況が目立ちます。さらに、サラリーキャップ制があるわけですから、人件費をいかに小さく見せるかは重要です。そのため、カンテラ上がりの選手の給与は人件費に計上せず、いわば“隠れ資産”のようになっているのです。
ただ、一度契約が切れて再契約するとなると、その瞬間に隠せない(表に出さざるを得ない)数字となり、人件費の部分に上乗せされてしまうのです。周知のとおり、メッシはまさにそのカンテラ出身の選手で、長年に渡って表向きは人件費に計上されていなかったといえます。今回は短い時間では有りましたが、一度契約切れてしまいました。再契約するとなると改めて人件費に計上しなければなりませんから、その年間7000万ユーロ(約90億円)近いとされる年俸が表面化してしまったということになります。
レアル・マドリーの大学院の授業で、チーム運営の会計の講義で一番肝になる題材として取り上げられたのがこの部分でした。当然、チームの運営サイドの考えは、帳簿上は人件費に計上したくない。ただ、本当の人件費を算出することでチームの状態を把握しておかなければ、この隠れた人件費が年々膨張し、気がつけば時限爆弾のような状態になってしまう。スペインでは、そういう問題が現実に起こっていたのです。
ちなみに、マドリーが債務超過状態にあった2000年初頭、フロレンティーノ・ペレス会長がこの債務超過状態を精算すべく、就任後に一番はじめにこの部分に目をつけてクラブの財政状況にメスを入れたとされています。
毎年ひとりずつスーパースターを獲得すると掲げたマニフェストも長くは続かず2006年に一度退任し、2度目の会長に就任したのが2009年。それ以降の補強を見てみると、12年間で5000万ユーロ(約65億円)以上のコストをかけて獲得している選手はC・ロナウド、カカ、ガレス・ベイル、ハメス・ロドリゲス、エデル・ミリトン、ルカ・ヨビッチ、エデン・アザールの7人しかいません。
放出・売却した選手と比較すると、実はそこまで大きな身銭を切って選手を獲得していないのがわかります。前述の様なスペイン特有の状況を考えると、「獲得していない」のではなく、「獲得できない」という言葉が正しいのかもしれません。
ちなみに、マドリーが債務超過状態にあった2000年初頭、フロレンティーノ・ペレス会長がこの債務超過状態を精算すべく、就任後に一番はじめにこの部分に目をつけてクラブの財政状況にメスを入れたとされています。
毎年ひとりずつスーパースターを獲得すると掲げたマニフェストも長くは続かず2006年に一度退任し、2度目の会長に就任したのが2009年。それ以降の補強を見てみると、12年間で5000万ユーロ(約65億円)以上のコストをかけて獲得している選手はC・ロナウド、カカ、ガレス・ベイル、ハメス・ロドリゲス、エデル・ミリトン、ルカ・ヨビッチ、エデン・アザールの7人しかいません。
放出・売却した選手と比較すると、実はそこまで大きな身銭を切って選手を獲得していないのがわかります。前述の様なスペイン特有の状況を考えると、「獲得していない」のではなく、「獲得できない」という言葉が正しいのかもしれません。