• トップ
  • ニュース一覧
  • バルサが18歳逸材への“特別扱い”を廃止した理由「甘やかすと、ろくなことがない」【現地発】

バルサが18歳逸材への“特別扱い”を廃止した理由「甘やかすと、ろくなことがない」【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2021年08月30日

ペドリ以上の待遇を要求

今夏の移籍が濃厚視されているモリバ。7歳で入団したバルサに別れを告げることになりそうだ。(C) Getty Images

画像を見る

 モリバはその後も順調に成長し続けたが、それに比例してエゴも肥大化していった。その一例として、ある日、フィジオセラピストが試合に間に合うように急いでマッサージを施そうとすると、「俺のことは放っておいてくれ。俺が望めば、明日にでもバイエルンに行くことだってできる」と威張り散らしたともあったという。

 そんな中、3度目の特別扱いが認められた。マンチェスター・シティやチェルシーから届いていたオファーを盾に、当時のスポーツマネジメント会社「Stellar Group」が待遇の改善を要求。カンテラーノとしては前代未聞の年俸約70万ユーロ(約9000万円)の契約をモリバは勝ち取った。

 しかし、こうした数々の特別扱いが結果的にモリバを増長させてしまったとクラブ関係者は指摘する「人間、甘やかすと、ろくなことがない。自分がクラブ以上の存在と思い込んでしまうんだ」
 
 モリバは今回新たな契約を結ぶ際に、マネジメント会社を鞍替えしたが、その「Rogon」はバルサに対しペドリとロナルド・アラウホ以上の待遇を要求した。クラブの回答は「受け入れられない」だった。その根拠はチームへの貢献度にあった。関係者は説明する「ペドリとロナルドは昨シーズン、1年間を通してトップチームの一員としてプレーした。その後、それぞれEUROとコパ・アメリカにも出場している」

 もはや交渉の仕切り直しはないと判断したバルサは、モリバの移籍金を2000万(約25億円)ユーロに設定。その条件を満たしたオファーが届かない場合は、練習生としてフベニールB(U-18)行きを命じる方針だ。

「代理人からすればフリーエージェントになったほうがビジネスになる。残念だよ。サッカーは変わってしまった。以前は22歳になるまでは、選手は将来設計を考えることはなかった。でも今じゃ18歳になれば大金を稼ぐ。そして今度は破格の要求だ。たかだかトップチームで20試合(正確には18試合に出場、1得点3アシストを記録)に出場しただけで、だよ」

 こう関係者が嘆く一方で、昨シーズン、モリバを抜擢したロナルド・クーマン監督も18歳の選手の関心がサッカーよりもお金に向けられていることに苦言を呈している。

 バルサはモリバにこれ以上ビタ一文も出す考えはない。もう特別扱いは終わったのだ。

文●ファン・I・イリゴジェン(エル・パイス紙バルサ番記者)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
【関連記事】
「クボに圧倒された」久保建英がスペイン五輪代表の銀メダリストたちに“個人リベンジ”! 対峙したMFには酷評「何の役にも立たず」
メッシが66分から途中出場でついに新天地デビュー!パリSGは渦中のエムバぺの2発で開幕4連勝
交代時にスタンディングオベーションを受けた久保建英。3人からユニホームを要求され…
「マドリーは無礼だ」エムバぺへの200億円オファーを一蹴したパリSG。いくらなら売却するのか?
ペドリと並ぶバルサ新時代の希望。ブスケッツの後継者として期待される19歳MFは“名手の息子”

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ