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強烈な個性が輝いたクラブユース選手権U-15。FC東京、鳥栖、ヴェルディの強さを支えたタレントたちに注目!

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2021年08月27日

久々の4強入りを果たしたヴェルディには、“系譜を継ぐ”選手たちも

準決勝で争った鳥栖U-15と東京Vジュニアユース。写真の大場(鳥栖4番)、山﨑(鳥栖10番)、半場(東京V7番)をはじめ、ともに多数のタレントを抱える好チームだった。写真:松尾祐希

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 惜しくも準決勝で敗れたが、準優勝を果たした2007年度以来となるベスト4に入った東京V Jrユースも“ヴェルディ”らしさを持つ選手が多数いた。山本理仁(東京V)の実弟・山本丈偉(中3)は3バックの中央で正確なビルドアップを見せ、攻撃の出発点として左右にボールを展開。184cmの高さを最大限に生かせるようなフィジカルや球際の強さが備われば、もうひとつ上のステージを目指せるタレントだ。また、途中出場が多かったが、MF千葉サニー大生(中3)やMF半場朔人(中3)もテクニカルな“ヴェルディの系譜”を継ぐプレーヤー。10番を背負う千葉は150cmと小柄ながら、抜群のボールコントロールとクイックネスで相手を外してチャンスを演出。半場は足下の技術とスピードを生かしたドリブル突破で違いを作り、脈々と受け継がれるクラブの伝統を体現した。
 
 実際にクラブユース選手権に出場したクラブの指導者たちも大会を通じて、選手たちが見違えるようなプレーを見せるようになったと話す。

「本当に小さな街のクラブですけど、自分たちの力で切り開いていく“サガン魂”を決勝までの8試合で見せてくれた。本当に誇らしく思います。その中で成長もしてくれたので、本当にいい大会になった。スタッフからの発信だけではなく、選手たちがピッチの中で思い切って試合中に変化を入れるチャレンジを見られたのは良かったです」(森監督)

 夏に得た経験値は選手たちにとって財産になる。しかし、これで終わりではない。積み上げたモノを次に生かしてこそ、本当の意味で財産になるからだ。北監督は言う。

「今回、チャンピオンになったけど、再度目標を立てて、そこに向かって努力をする。実現できるプロセスを踏んで達成できた実感があります。彼らには冬の高円宮杯に向けて再び目標を設定して、最終的にはトップで活躍できる選手になって、そこから日本を代表して世界で通用する選手になってほしい。クラブとしても大きなビジョンを掲げているので、そこに向けてもう1度取り組んでいきたい」

 “コロナ禍”で開催された真夏のトーナメントを経て、世界へ打って出る選手たちが現われるか。日本サッカー界の未来を担う選手たちが、4か月後に幕を開ける冬の全国舞台でどのような姿を見せるか注目だ。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)
 
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