――17節を終えて、２位の磐田に勝点４差で首位に立っています。好調の要因は？
 
和田選手
「悪くても勝てている、結果が出ているというのが大きいですね。内容が伴っている試合も増えてきたので、シーズン当初より自信を持ってプレーできています。後ろが失点しないということもありますし、前は得点を取ってくれるので、そうすると当たり前ですけど勝利につながります」
 
――和田選手は開幕から左SBとして全試合フル出場されています。後ろから見ていて、自分たち最終ラインでしっかりと撥ね返して無失点に抑えれば、前線が必ず得点を取ってくれるという信頼感はありますか？
 
「そうですね。ゼロに抑えれば勝てるかな、と。ただ、そこまで深く考えずに『後ろはゼロで』をいつも意識しているだけです」
 
――和田選手自身のプレーについて。最近のパフォーマンスをどう感じていますか？
 
「無難にこなしているかなって感じですね。なんにもしていないと言えば、なんにもしていませんし（笑）。そんなにやることがないんですよね。たくさんオーバーラップしても（泉澤）仁のスペースを消してしまうだけなので、困った時にサポートをできるくらいの距離感を意識しています。あとは（相手DFに）引っ掛かった時にすぐにプレッシャーをかけられる位置取りですかね」
 
――かなりポジショニングを気にしているんですね。プレーを見ていると、ボランチ出身なんだなと改めて感じる場面が多いです。例えば、ある程度の高い位置でボールが自身に戻ってきた際にSB出身者だとクロスを選択する場合が多い気がします。ただ和田選手はもう一度組立て直そうとしますよね。
 
「うちはそこまで中が強いわけじゃないですし、今は（家長）アキ君や仁につないだ方が確実かなと。３人での関係というより、そのふたりのプレーを邪魔しないようにしているって感じですけどね。スピードアップできるように、困った時だけサポートできればと考えています」
 
――泉澤選手が中に入って、そのスペースを使う動きも今季は増えた気がします。
 
「相手を押し込めているので、最初から高い位置を取れているのが大きいです。仁が中に入ってプレーすることもできるので、そこを上手く活用するイメージです」
 
――守備のことも伺います。かなり安定していますよね。
 
「各々が集中していますし、連係面も声掛けを怠っていません。あとは最後の最後で（加藤）ノブ君とCBのふたりが止めてくれているので助かっています。前線の選手もすぐプレスに行って、高い位置で奪い返せる場面も増えています。気にしているのは、はがされて、自分の守るべきスペースを使われないこと。１対１で勝つことが基本ですから」

取材・文：古田土恵介（サッカーダイジェスト編集部）