5人交代枠のうち日本の交代は3枚だけ
後半に入っても、主導権を握ったのは日本だったが、53分、カウンターからゴール前に寄せられ、波状攻撃を受ける。最後は、清水の裏をとったスティナ・ブラクステニウスに、勝ち越しゴールを許す。オフサイドかどうか、VARのチェックはあったが判定は覆らず、スウェーデンの勝ち越し点が認められた。
大きなゴールを奪われたものの、日本は心を折られることなく前に出る。57分には、清水のスルーパスを受けた長谷川が、中央へボールを送り、これを田中が左足で強烈なシュート。これはGKヘドビグ・リンダールが必死ではじく。前の試合で83分間を戦い、前半のイエローカードでプレーも制限されている三浦成美がポジションを下げて、宮川を前に出すなどの工夫で、戦況を変えようとしていた。
これに対して、スウェーデンは62分に連続出場のアンゲルダルをハンナ・ベンニソンに代えて、運動量を確保する。そして、パスがブレ始めた日本に、スウェーデンは人数をかけて止めを刺す。アスラニのクロスがペナルティエリア内で対応していた三浦の手に当たりハンド。主審は一度、このプレーを見逃したが、VAR判定でPKが認められる(キッカーのアスラニが成功)。この日のVAR判定は、3回ともスウェーデンサイドに有利に働き、なでしこジャパンは決勝戦の1週間前に、大会を終えることになった。
90分間に5枚まで交代が許されている特殊なレギュレーションで、日本の交代は3枚だけ。最初が勝ち越しを許した後の72分の遠藤純。北村菜々美と林穂之香は80分台での投入だ。これでは前半の45分間で、同じエネルギーを使っているならば、ターンオーバーに成功しているスウェーデンに、時間が経つほど差をつけられてしまう。
大きなゴールを奪われたものの、日本は心を折られることなく前に出る。57分には、清水のスルーパスを受けた長谷川が、中央へボールを送り、これを田中が左足で強烈なシュート。これはGKヘドビグ・リンダールが必死ではじく。前の試合で83分間を戦い、前半のイエローカードでプレーも制限されている三浦成美がポジションを下げて、宮川を前に出すなどの工夫で、戦況を変えようとしていた。
これに対して、スウェーデンは62分に連続出場のアンゲルダルをハンナ・ベンニソンに代えて、運動量を確保する。そして、パスがブレ始めた日本に、スウェーデンは人数をかけて止めを刺す。アスラニのクロスがペナルティエリア内で対応していた三浦の手に当たりハンド。主審は一度、このプレーを見逃したが、VAR判定でPKが認められる(キッカーのアスラニが成功)。この日のVAR判定は、3回ともスウェーデンサイドに有利に働き、なでしこジャパンは決勝戦の1週間前に、大会を終えることになった。
90分間に5枚まで交代が許されている特殊なレギュレーションで、日本の交代は3枚だけ。最初が勝ち越しを許した後の72分の遠藤純。北村菜々美と林穂之香は80分台での投入だ。これでは前半の45分間で、同じエネルギーを使っているならば、ターンオーバーに成功しているスウェーデンに、時間が経つほど差をつけられてしまう。
途中出場した3名の他に、ベンチにいたのは第2ゴールキーパーの池田咲紀子、宝田沙織、塩越柚歩、籾木結花だ。籾木は、チームにエネルギーが残っている段階で投入する必要があるのはイギリス戦を見れば明らかで、個の力で何とかする可能性があるのは塩越と宝田だが、疲れていても岩渕、田中を中心としたパスワークに期待したということだろう。
であれば、その最も頼れる選手たちが、最後の瞬間に、最もパフォーマンスを発揮できるよう、幾人かはベンチにおいてスタートしても良かったのではないだろうか。また、北村、林にしても、チームの運動量に陰りが見られた時点で投入していれば、ガス欠になることもなかったのではないだろうか。あるいは、遠藤をこれまで同様にトップへ入れて、相手ディフェンダーと差し違えさせる手はなかったか。
淡白な試合の入りでビハインドを背負ったカナダ戦で追いつき、90分以内に勝つしかなかったチリ戦も積極交代で勝ち切った。そのチームなら、スウェーデンに勝つチャンスは小さくとも、皆無ではないと考えていた。その期待以上の奮闘を見せてくれた。
試合後に未練がましく、結果論(しかも正解かどうかは、絶対に答えが出ない代替案だが)をいくつも並べ立てたのは、相手の特長をしっかり分析し(スカウティング班の働きが大きいだろう)、チーム全体で対策をしっかり表現できていたゲームを、イギリス戦に続いて落としたからだ。しかも、今回は、反省を生かす次のゲームが用意されていない。
本当に、本当に、残念でならない。
文●西森 彰(フリーライター)
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であれば、その最も頼れる選手たちが、最後の瞬間に、最もパフォーマンスを発揮できるよう、幾人かはベンチにおいてスタートしても良かったのではないだろうか。また、北村、林にしても、チームの運動量に陰りが見られた時点で投入していれば、ガス欠になることもなかったのではないだろうか。あるいは、遠藤をこれまで同様にトップへ入れて、相手ディフェンダーと差し違えさせる手はなかったか。
淡白な試合の入りでビハインドを背負ったカナダ戦で追いつき、90分以内に勝つしかなかったチリ戦も積極交代で勝ち切った。そのチームなら、スウェーデンに勝つチャンスは小さくとも、皆無ではないと考えていた。その期待以上の奮闘を見せてくれた。
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