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納得の交代カードから一転、皮肉にも久保建英の先制弾で浮かび上がった「あべこべ感」。采配の遅さには疑問符が付く!

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2021年07月23日

次節、難所のメキシコ戦突破のカギは…

膠着した状況を打開するために投入された相馬。直後に久保の先制ゴールが生まれた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 相馬が大外に開いて仕掛けるため、それまで良いクロスを届けていた左SBの中山雄太が、ハーフスペースでサポートする形に変わった。数分後、その効果を上げるため、森保監督は旗手怜央を準備する。ハーフスペースでプレーするSBを、中山から旗手に代え、攻撃のクオリティを上げる狙いだろう。上田綺世も同時に投入し、1点をもぎ取ろうとした。

 納得の采配だったが、皮肉にも、旗手と上田の交代ボードが準備された直後、久保の先制ゴールが生まれた。ここで采配のあべこべ感が出る。72分、1-0になったのに、攻撃的な交代をしてしまった。

 77分には日本が選手を入れ替えた左サイドを南アフリカに崩され、最後はゴール正面でシュートを許す。どうにかGK谷晃生がキャッチしたが、1点奪われてもおかしくない場面だった。80分には旗手が相手にぶち抜かれ裏を突かれるなど、交代した左サイドが不安定だった。
 
 たまらず日本は85分、堂安律に代えて町田浩樹を入れ、旗手を前線へ移す。守備の安定を図り、スコア状況に合う配置になったが、それまでの15分間で同点に追いつかれても、不思議ではなかった。ここでの采配の遅さには疑問符が付く。

 結果的には、省エネの試合で勝点3をもぎ取り、結果だけ見れば上々の開幕戦だったが、この試合展開ではメキシコ戦は苦しい。攻めるときは大胆に、守るときはガチガチに。よりハッキリとプレーしなければ強豪には歯が立たない。次が難所だ。会心の試合を見せてほしい。

取材・文●清水英斗(サッカーライター)

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