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「本当に凄かった」。中学3年生のシュートを何度も止めた小学4年生の大迫敬介は衝撃だった【東京五輪代表のルーツ探訪】

カテゴリ:日本代表

志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

2021年07月27日

「広島だけは違いました。最も熱心なクラブでしたね」(佐渡谷監督)

上段左端の大迫は中学時代から「東京五輪に出場したいとずっと言っていた」(佐渡谷監督)。写真提供●佐渡谷聡

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 とりわけ生きたのがプロの経験で、かつて鳥栖フューチャーズ(現・鳥栖)などでプレーした佐渡谷監督は、中学生の敬介に「真剣にプロを目指してみろ」と伝え、まずは現役時代に培った「プロの心構え」を話した。そして「プロになりたいと思ってもらいたくて」という願いから、鳥栖や福岡の試合にも連れて行った。また、知り合いのGKコーチにアドバイスを求め、GK専用の練習メニューも作った。特に注力したのがクロス対応で、果敢に飛び出すように指導。加えて、パントキックのトレーニングにも重点的に取り組ませた。

 新たな練習メニューを提示すれば、「敬介はよく食らいついてくれた」。その反応を見た佐渡谷監督もGKの勉強を続け、ブラッシュアップを重ねる。二人三脚で急成長した守護神は、複数のJユースから加入を打診された。

 当時の様子を佐渡谷監督が振り返る。

「ほとんどのクラブが『うちにはこんな施設がある』というアピールばかりだったなか、広島だけは違いました。敬介が成長するための具体的なトレーニングプランを提示してくれたんです。最も熱心なクラブでしたね。そういう話も踏まえて、本人にアドバイスしました」

 佐渡谷監督の助言もあり、最終的に広島ユースに加入した敬介は、優秀なGKコーチがいる整った環境下で着実に成長した。2016年には高円宮杯プレミアリーグWESTを制し、チャンピオンシップではMIP賞を受賞。18年にトップチームへ昇格すると、翌年にはスタメンに定着した。

 東京五輪代表としては、谷晃生や鈴木彩艶と激しいポジション争いを繰り広げる。大迫は後半開始から途中出場したスペイン戦(7月17日/△1-1)で好守連発した。中学3年生のシュートを何度も止めた小学4年生の時のように、堂々たるセービングを見せる敬介には、恐れるものは何もない。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

※サッカーダイジェスト2021年7月22日号から一部を加筆修正して転載。

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