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【CL決勝プレビュー】現役イタリア人監督が考察「バルサ攻略法」 ユーベが勝つとすれば“イタリア的”な勝利になるはずだ

カテゴリ:ワールド

ロベルト・ロッシ

2015年06月04日

ユーベがリスクを冒すポイントは――。

ユーベが勝機を見出すためには、このテベスとモラタの2トップのハードワークが不可欠だが、ともにそれができるだけのクオリティとフィジカルコンディションを備えている。 (C) Getty Images

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 そのカウンターアタックにおいては、躊躇せずに人数をかけて素早く攻め切ることが重要だ。
 
 まず、本当に危険な状況を作り出すためには、1人や2人ではなく3~4人が一気に攻め上がることが必要だ。
 
 テベス、モラタの2トップに加えて、アルトゥーロ・ビダル、クラウディオ・マルキージオ、ポール・ポグバというMF陣もロングカウンターを支える走力の持ち主。彼らのうち1~2人が前線のカウンターアタックをサポートすることが、決定的なチャンスを作り出す鍵になる。
 
 ユーベがリスクを冒すポイントがあるとすれば、まさにここだろう。
 
 したがって、ポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)においては、奪ったボールを素早く前線に展開して、一気に反撃に転じるというのが基本戦略。
 
 前線の2トップは、守備の局面では自陣に引いて中盤をサポートしつつ、味方がボールを奪ったらすぐにオフ・ザ・ボールで前方のスペースをアタックし、ロングパスを引き出すことが求められる。
 
 一方、ゴールキックや自陣でのフリーキックなどリスタートの場面では、後ろからパスをつながずロングボールを蹴って、相手のハイプレスを回避することが基本になる。
 
 この場合も、チーム全体を押し上げることはせず、いい形でボールが収まったり、セカンドボールを拾えたりした時にのみ、タイミングよく人数をかけてフィニッシュを狙って行く。
 
 FW陣にオフ・ザ・ボールの運動量を要求する戦い方だが、テベス、モラタにはそれができるだけのクオリティとフィジカルコンディションが備わっている。
 
 攻撃においてもうひとつ重要なのは、不用意なボールロストを避けること。ボールロストの直後に生じるネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)は、相手に最もスペースを与えやすい危険な状況のひとつだ。
 
 すでに見た通り、バルサの3トップ、とりわけメッシとネイマールにカウンターのチャンスを与えないことは、ユーベがこの試合に勝機を見出す上で死活的な問題だと言っていい。
 
 そのために必要なのは、ネガティブ・トランジションの回数自体を減らす、すなわち攻撃は必ず何らかの形で終わらせることだ。
 
 一番いいのはフィニッシュで終わらせることだが、そうでなくともスローインやファウルなど、一度プレーを切ることが重要になる。
 
 もちろん、ボールロストを全くしないというのは不可能だが、ボールを奪われた場合は、まず相手の攻撃をスローダウンさせること。それができなければ、タクティカルファウルでカウンターの芽を摘むのが非常に重要になる。
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