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“特例”での五輪参戦は、久保建英の去就にどう影響するのか。マドリー番記者に訊く「リスクはある。だが…」【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

セルヒオ・サントス

2021年07月16日

「現時点で多くのオファーが舞い込んでいるが…」

前例になる可能性があるのが、このバルベルデのケースだ。(C)Getty Images

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 もちろん移籍市場がクローズするまでまだ1か月半以上ある。バルベルデもその夏、当初予定していた中盤の補強が見送られたことで復帰が確定した経緯があり、タケの場合も今後どうなるかは分からない。

 ただ、その中で五輪への参加が良くも悪くも去就に影響することは避けられない。現時点で多くのオファーが舞い込んでいるが、全てのクラブが五輪が終わるまで待ってくれるとは限らない。大会期間中に、他の選手を獲得する可能性も十分に考えられる。

 もっとも、タケサイドに焦りの色はない。実際、欧州カップ戦に出場するチームを最大の条件にしてビジャレアルを新天地に選んだ昨夏の失敗を教訓に現在、移籍先をじっくり吟味しているところだ。優先順位リストの一番上に置いているのが出場機会を得られること。その意味で、有力候補として浮上するのがマジョルカとエスパニョールだ。

 マジョルカはいうまでもなくラ・リーガ挑戦1年目にプレーした古巣。タケは今も好印象を抱いているはずだ。一方、エスパニョールはビセンテ・モレーノがチームを率いている。そのマジョルカ時代の監督で、タケにとって過去2シーズンで、最も信頼を寄せてくれた人物でもある。
 
 昨シーズンの後半戦に所属したヘタフェも候補の1つに挙がる。勝手知ったクラブであるのはマジョルカと同じで、さらにサッカー的に必ずしも相性がいいとは言えなかったホセ・ボルダラスがバレンシアの監督へと栄転を果たし、ミチェルが後任に就くことが決まっている。前任者とはまた異なったマインドを持った指揮官で、タケが活躍する余地も広がるはずだ。

 他にもベティスやレアル・ソシエダといったヨーロッパリーグ出場勢もタケの動向を注視しているが、それだけチーム内競争が激しく、昨シーズンの二の舞を避けたいタケが二の足を踏む可能性もある。

 最後に一つ強調しておくと、五輪への参加をプラスにするのもマイナスにするのもすべてはタケ次第であるということだ。確かにここまで述べてきたようにリスクはある。低調なパフォーマンスに終われば、マジョルカやヘタフェなどの残留を争うクラブに候補を絞らざるを得なくなることは考えられる。

 しかし逆に活躍を見せれば、それだけ未来も開けてくる。たとえばいま現在タケをリストアップしていないクラブも、そのプレーを目にして興味を示すことは十分にありうる。もっと言えば、大きなインパクトを残すことができれば、マドリー復帰への扉も開かれてくるかもしれない。

 スペイン代表が参加することもあり、国内では男子サッカーへの関心は高まっている。当然タケにも熱い視線が注がれるはずだ。

 したがって今は去就よりも、五輪に全力を注ぐべきだ。いいプレーを見せれば、自ずと将来の選択肢も広がってくるはずなのだ。

文●セルヒオ・サントス(アス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸
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