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ジャージ姿で試合運営も経験…“サッカーエリート”三好康児が味わったユース時代の大きな挫折【五輪代表エピソード】

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2021年07月14日

前向きな言動でチームのために雑用を積極的にこなす姿があった

「なかなか回復しないというか、復帰まで時間がかかっている印象です。初めての経験なので、ちょっと戸惑いもありますが、自分のフィジカル面などを見直すいい機会だとも思っているので、焦らずにしっかりと身体を作りながら治していきたいと思います」

 相変わらずの丁寧な言葉遣いと応対だったが、この時の表情は流石に不安の色が滲み出ていた。だが、この初めての経験を無駄にしないようにいつも前向きな言動で、チームのために雑用を積極的にこなす姿が印象的だった。それは前述した通り、イランで感じた彼の魅力が本物であることを証明する立ち居振る舞いだった。

 怪我から復帰し、トップチームに昇格した後はプロの厳しさをまざまざと味わうシーズンを過ごしたが、それでも彼はその中で自分の技術と頭の回転の速さから来る状況判断力など、武器を磨き続けた。
 
 エリートや天才と呼ばれる選手が消えていく中で、彼は苦しみながらも自分を持ち、どうすればプロの世界で成功できるかを模索し続けた。だからこそ、北海道コンサドーレ札幌、横浜F・マリノスと環境を変えながら成長をし続け、ベルギー1部のロイヤル・アントワープへの移籍を掴み取った。

 今思えばジャージ姿でリハビリと試合の運営などをしていた経験が、三好にとって大きな財産になっているのではないかと感じる。エリートと呼ばれ、順風満帆に来ていた彼が初めて味わった大きな挫折。この経験によって自分の立ち位置、足もとをきちんと見ることができたからこそ、その先にあった苦難に対しても自分を見失わずにコツコツと力を積み重ねることができた。それは今の三好康児の姿が実証していると言えるだろう。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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