今回のホンジュラス戦で特に印象に残った選手を挙げれば、１トップで先発した林だ。

　身体を張ったプレーや泥臭さが売りで、ゴール前で潰れてでも味方にチャンスを与える。そんなイメージがあったし、それもまた林のストロングな部分だとは思うけど、また違った魅力を持つ選手だと思い知った。

　久保、堂安、三好。２列目に並ぶ彼らがどういうプレースタイルで、どのタイミングでパスを出したいのか、あるいは受けたいのか。林はすっかり分かっているのではないか。

　２列目の３人が気持ち良くプレーできるように、気の利いたサポートを見せる。パスを引き出すにせよ、リターンするにせよ、ボールがスムーズに流れるように連動する。１トップとして“そこにいてほしい”と味方が思う場所にいる。そうしたシーンはかなり多かったはずだ。

　FWとして点を取っていないだけに、物足りないという見方はあるかもしれない。だけど、貢献度は抜群だった。堂安の追加点を演出したのも、林の丁寧な“落とし”だった。
 

　チームメイトの長所を活かす能力がここまであったのかと、正直、驚いた。改めて、頭の良い選手だなと思った。ガムシャラさや頑張るだけじゃない。むしろクレバーな選手だ。

　最初に18人の五輪メンバーが発表された時、林はバックアップメンバーのひとりだった。その後、登録人数が22人に拡大されて、林もそこに加わった。そして迎えたホンジュラス戦、良いアピールができたと思う。FWの層を厚くするプレーを示してくれた。

　１トップ候補には上田がいて、前田もいる。熾烈な定位置争いで、林の存在感がグッと増してきた印象だ。

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