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香川真司の脳裏に甦る恩師との3シーズン。「優勝したことが思い出。それで世界を知ることができた」

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェスト編集部

2015年05月31日

「結果につながるゴールを決めたかった」

恩師の花道は飾れなかったが、のべ3シーズンに渡るクロップ監督との師弟関係は、香川に大きな影響を与えたに違いない。(C) Getty Images

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 欧州に渡って1年目の10-11シーズンにブンデスリーガの頂点に立った。翌11-12シーズンには、リーグ2連覇とDFBカップの二冠を達成。欧州移籍わずか2年で、MVP級の活躍をした香川は、マンチェスター・ユナイテッドに移籍した。
 
 しかしながら、2年シーズン在籍した“赤い悪魔”では、出番を得られない苦闘の日々が続いた。プレミアリーグの壁にぶつかり、昨年8月末にクロップ監督に呼び戻され、3シーズンぶりにドルトムントに復帰。香川を育てたのがクロップ監督なら、プレミアで挫折した香川を再生するために拾ってくれたのも、クロップ監督だった。
 
 だからこそ、最後の決勝戦はどうしても勝ちたかった。
「個の力というか、勢いが向こうにありました。もう1点、前半の早い段階で取らなければいけなかったですし、あれ(攻撃)を続けることによって、精神的なダメージを与えなければいけなかった。でも、逆に(やりたいことを)向こうにやられてしまった。前半のうちに3失点してしまうのは、かなりキツかったです。相手の勢いもありましたし、うまさもあった。その中でもチャンスはあったんですけどね。やっぱり、それを決めきらないといけなかったと思います。そうですね、ああいうところを決めないと……、ですね」
 
 取材エリアにはまだ、ヴォルフスブルクのサポーターの大歓声が響いている。香川は、消え入りそうな小さな声でそう言った。さらに、少しの間を置いて「結果につながるゴールを決めたかったです。負けてしまったんでね」と、つぶやいた。
 
 それでも、クロップ監督の恩は、忘れることはない。今シーズンも、決して好調ではない時期でも、コンスタントに使い続けてくれたのだから。
「やっぱり優勝したことが思い出です。ヨーロッパに来て1年目、2年目にそういう経験をさせてもらった。それで世界を知ることができた。本当に良い経験をさせてもらいました。それもやっぱり、監督に信用してもらっていたからだと思う。本当に、感謝しています」
 
 最後に、しっかりとした口調でそう話すと、香川はすっかり日が沈んだベルリンのスタジアムを去った。
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