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【三浦泰年の情熱地泰】元巨人・槙原寛己さんが思わず漏らしたSNS動画への一言。指導者にとってまさに「新時代」が到来?

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年07月02日

指導者に覚悟と責任があれば、日本のサッカーレベルはもっと上がるはず

世田谷区で活動するFCトッカーノを立ち上げ18年目を迎えた三浦さん。「覚悟を持って本氣で指導していきたい」と語る。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

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 それでもデジタル、IT、テクノロジー化に負けないように、「アナログ」な直接、目の前で指導。フェイス・トゥー・フェイス。手取り足取り教える。

 情熱を伝えていく強みもまた、今の新時代の子供たちにも必要であり、彼らにとってはまた違う、新鮮な刺激なのであろう。

 僕が顔を出せば「やっさん、こんにちはー」と挨拶をして来る。目をキラキラと輝かせてだ。「怖いなー」と思っているのか?「何をやるのだろう? 出来るかな?」と不安なのであろう。可愛い純粋な子供たちだ。

 ある日こんなYouTubeを目にした。YouTubeに子供が練習の5分、10分前に来てやるトレーニングですぐにやめた方が良いトレーニングという見出しを偶然にも目にした。

 今まで現役時代から今日まで数多くの子供にサッカーを指導して来た僕にとって、彼は何を言うのであろう? とその次の画面へと再生した。

 すると子供達が「次俺!」と言って意味なく強いシュートを打っている。すぐにそれはやめた方が良いと言うのだ……。

 僕は正直に、これは凄い時代になったなと思った。思った理由は2つ。
「おー、俺も同じこと考える!」と

 それを直ぐにやめようと動画で言える彼。まずは僕のクラブの子供たちでもそれをやっている子もいる。

 ほとんどの子供たちはグラウンドを指導前に解放するとやはりシュートを打ちたがる。それも高く強く打ちたがる。子供の心理だ。

 大人にも、それに近い人もいる。フットサルコートでありながらいきなりフルパワーで思い切りゴールに蹴りたい。

 サッカーの本質だ!ゴールする事なのだから…

 悪い事ではない。

 しかし子供が強く遠く蹴り込むシュートを見て、いつも思うのは、大人になれば誰でも蹴れるようになる。いや遠くに外してどうしようと悩むことの方が多くなる……。

 今、大事な事は自分の蹴りたい所に蹴れるかだと思う。ただこれだけは難しい。蹴りたいところに蹴るためにキック力は必要でもある。、

 スピードがあり、キック力があれば、少年時代はエースだ。ただ大人になり、プロになれば誰でもそこそこ速く走れて蹴れるようになる。その時に上回るためにはやはり細かい技術と強い精神(メンタル)。リスペクトして仲間を思いやる事。

 そして自分の得た技術をどういう場面で使うのかという判断。スキルだ。苦しい時に逃げない、闘える技術を持った強い選手だ。

 僕のトレーニング開始は17時から50分間。フットサルコート2面くらいの広さに10歳~12歳の子供たちが60人。彼らに細かいテクニックを教える。

 その間に指導者(スタッフ)たちは1年生(6歳)~3年生(9歳)の低学年を各担当コーチが学年ごとに教える。僕は1時間が被る時間帯に、僕がプロになれた原点である技術(テクニック)を中心に50分間にわたり指導する。

 その後、1時間、その日によって担当する学年をゲーム形式のトレーニングを行なう。技術をつけるためには体力と精神、集中力と根気強さが必要だ。

 身体能力ではない。

 真面目に人より多く努力をすれば必ず技術はつく。

 これを子供たちに要求するためには、練習前には好きなことをやらせておく。だからYouTubeの人のようには発信しない。直ぐにやめろとは言わない。

 ただそれよりは今、大事なことがある!ということは教えなければならない。サッカーという躾。サッカーを死ぬほど好きになる、楽しいと思わせるために上手くするということ。

 僕が子供の現場で彼らに伝えることが彼らの人生を変える。

 サッカーの虜にしてしまう可能性もあるし、サッカーを諦めさせてしまう可能性もある。どちらかは本人次第。

 それでも僕は良いと思う。僕が覚悟と責任を持って彼らを本氣で指導することが出来れば。
 
 そして何の道を進もうがそこにサッカーがあった。サッカーを通して成長して何かで強く生きている。そして仲間がいて、仲間を思い出す。

 僕は強いボールを蹴れなかった。だから両足で蹴れるようにした。

 6年生の時にナショナルトレセンに呼ばれた。凄いキック力を持つ子や凄い足の速い子、あるいは身体の柔らかい奴らばかりだ。

 僕は両足で蹴れる、何種類ものキックの種類を使ってパスを通す。人より動く。人よりボールを触る。仲間を鼓舞する。諦めない。そう考えた。

 しかしYouTubeの人は鋭いと言うしかない。指導者をやっていてSNSがライバルになるとは……。そんな新時代なんだ。

 僕の実家がある静岡では、僕ら「三浦兄弟」を育ててくれた叔父さんのサッカークラブ「城内FC」が今年で52年目を迎え、半世紀以上の歴史を持つ。叔父さんは76歳で未だ小、中学生チームのベンチに座る。少年育成にまだ貢献しているのである。

 静岡学園の井田勝道元監督氏もまだピッチに立ち、子供たちを育成していると聞いた。僕の父と同年代で来年80歳になる。先日も電話を頂き、話があるから飲もうと誘ってくれる。少年育成における独自のテクニック論と育成論を発信し、指導し続けている。日本のサッカー少年は原石であり、宝だということを何十年も前から知り、尽力している。

 そして僕にもひとつ宝箱がある。それが創立18年目を迎えた「FCトッカーノ」。それは幸せだ。

 改めてYouTubeに負けない指導者が必要だ。

 もっと真剣にもっと責任と覚悟を持てば、日本のサッカーのレベルはもっと上がるはずだ…

2021年7月1日
三浦泰年
 
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