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【五輪サッカー】「世論がプレッシャーになる可能性も」。原博実が語る自国開催のメリットとデメリット

カテゴリ:国際大会

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2021年07月12日

東京五輪は前例のない大会になる

五輪メンバー落選後に飛躍を遂げた代表格が大迫。今やA代表で不動のCFだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 日本特有の蒸し暑さもアドバンテージになりますし、実際、上位を狙える可能性はあります。ただ──。メダルを獲って当たり前という雰囲気になると、それがかえってプレッシャーになり得ます。準備期間も含め東京五輪に臨む選手たちはかなり行動も制限されますし、プレッシャーと同時にストレスも抱える恐れは十分にあります。

 コロナ禍の影響で五輪開催の是非も問われていますよね。この状況でやっていいのか、感染者が増えたらどうするのか、そういう意見・情報に心が乱されて、大会に集中できなくなるかもしれません。これが怖いです。他国開催なら割り切って「競技に集中」というスタンスになれるはずですが、今回は難しい。世論をシャットアウトするのは無理でしょう。いずれにせよ、東京五輪は前例のない大会になります。

 飲食店などが苦労を強いられるなか、「サッカーなんてやっていていいの?」という声が高まったとして、果たして競技に集中できるか。精神的なコントロールが重要なファクターになる気がしています。
 
 いずれにしても、頑張ってもらいたいです。五輪戦士がその数年後にフル代表の中心になるケースも多いですからね。ロンドン五輪では山口蛍選手や清武弘嗣選手、リオ五輪では南野拓実選手などがそうです。ただ、一方で今回の五輪メンバーから外れたからと言って、フル代表への道が遠ざかるわけではありません。

 例えばシドニー五輪の時は遠藤保仁選手が当時の登録メンバー18人にエントリーされていません。ロンドン五輪の時は大迫勇也選手や原口元気選手が外れていますが、彼らは落選をモチベーションにして飛躍を遂げました。特に、大迫選手はあそこから大きく変わった気がします。

 五輪がすべてではないですし、フル代表こそがひとつの到達点。今回外れた選手たちが“なにくそ精神”で奮闘してくれることが、日本サッカーにとって良いことだと信じています。東京五輪に出場する選手は当然ながら頑張る、落選した選手はさらに頑張る。そうやって切磋琢磨していってほしいと思います。

<プロフィール>
原 博実(はら・ひろみ)/1958年10月19日生まれ、栃木県出身。現役時代はFWで早稲田大、三菱重工などで活躍。日本代表歴は75試合・37得点。現役引退後、浦和、FC東京の監督を経て日本サッカー協会で技術委員長なども務めた。16年3月にJリーグの副理事長に就任し、現在に至る。

取材・構成●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)

※本稿は、サッカーダイジェスト7月22日号に掲載された「J’sリーダー理論」の内容を加筆したもの。

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