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確実視されていた守護神の座も不透明に…1年延期で次々に現われたライバルたち、大迫敬介の想いは?【五輪代表エピソード】

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2021年06月24日

メンバー入りはしたものの谷との熾烈なポジション争いは続く

U-17日本代表時代の集合写真。齊藤未月がキャプテンを務め、久保建英の姿も。写真:安藤隆人

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 大迫の人間性を言葉で表わすと謙虚で実直。大きなガタイで一見怖そうに見えるが、話し方も柔らかく、穏やかな薩摩隼人という印象だ。謙虚という言葉は決して持ち上げているわけではなく、彼の言葉からは常に仲間を想う気持ちや、ライバルに対するポジティブな言葉が多く、周りから学び、自らを律しながら成長してきたことがよく分かる。

 A代表に合流した後、彼はこう口にしていた。
「権田さんは練習の合間の水を摂るタイミングで、細かい話をしてくれますし、川島さんはただのジャンプのトレーニングでも、細かいバネの使い方がちょっと違うんです。リズムというか、『海外基準でやっているんだな』と感じる部分が多かった。それに普段の練習から声や一つひとつの立ち振る舞いなど、プレー以外の部分でオーラを醸し出して、ピッチの選手にいい影響を与えていました。ダン(シュミット)さんはあの大きなサイズで相手からしても、壁というか、大きなプレッシャーを与えていた。本当に学ぶことが多くて、自分の足りない部分、伸ばしていかなければいけない部分がより明確になって来ました。僕の中では飛んできたボールに対し、キャッチしに行くのか、弾くのか。弾くにしてもどこに弾くのか。細かい技術がGKには求められてくる。そして弾いた後も永嗣さんはセカンドアクションのことまできちんと考えてプレーしているから、連続動作がものすごく速い。ほんの0コンマ何秒の差ですが、そこで大きな結果の差が生まれる。それを痛感したので、僕もさらにこだわるようになりました」
 
 今年に入るとセカンドアクションのスピードが高まり、プレー判断もはっきりできるようになったことで、持ち前のパワーでねじ伏せるプレーの質がより向上した。しかし、周りのライバルたちも驚くようなスピードで成長曲線を描いてくる。

 それを敏感に感じ取っていたからこそ、最終メンバーが発表されるまでは気が気ではなかっただろう。メンバー入りでほっと胸を撫で下ろしている彼の姿が頭に浮かぶ。同時にまだレギュラーが確定されたわけではなく、長年のライバル・谷とのポジション争いも残っている。彼のことだ、すぐにその競争を楽しみにしながら、謙虚にかつ貪欲に東京五輪に向けて歩みを始めているだろう。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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