確実視されていた守護神の座も不透明に…1年延期で次々に現われたライバルたち、大迫敬介の想いは?【五輪代表エピソード】

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2021年06月24日

五輪世代の最前線を走っていた大迫だったが…

6月の代表戦では、A代表との一戦に先発した大迫。メンバー入り後も谷とのポジション争いは続きそうだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 入るか、入らないか――。かなりの不安と戦っていたはずだ。

 昨年までの状況であれば、大迫敬介が東京五輪代表の守護神の座に就くことは確実視されていただろう。

 彼が持つ能力は高校時代から非常に魅力的だった。技術的なレベルはもちろん、当時からパワーと俊敏性を併せ持つユース世代では稀有なタイプのGKだったからだ。密集地帯でフィジカルコンタクトを食い止めながらクロスを収めるパワー、一回の踏み込みでパワーを溜めて、上半身をコントロールしながら、シュートに食らいつくパワー。シュートセーブからのセカンドボールに対して、もう一度面を作り直してから飛び込むパワー。そしてそれに伴う技術。彼はそれらを高いレベルで持っていた。

 実績面も十分で、五輪世代においても年齢的には制限年齢から3歳も若い。サンフレッチェ広島では1年目こそ出番はやってこなかったが、2年目には正守護神に抜擢。クラブ新記録の5試合連続無失点を記録するなど、安定したパフォーマンスを披露。この活躍が認められてA代表にも選出されると、U-22メンバー中心で挑んだコパ・アメリカにも出場してA代表デビューを飾るなど、この世代では最前線を走る存在だった。

 しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大会が1年延期となると、同年代や下の世代からの突き上げで、そのポジションは安泰ではなくなった。

 京都サンガF.C.で奮闘する同年代の若原智哉は大迫がA代表選出により出場辞退をした2019年のU-20ワールドカップ(W杯)で正GKとして活躍。U-17W杯インド大会で正GKだった1学年下の谷晃生を含め、この2人とは年代別代表でずっと鎬を削ってきたライバルだった。
 
 ここに同学年の沖悠哉が名門・鹿島アントラーズで正GKの座を掴んだことで、一気に頭角を現わしてきた。そして、U-20W杯ポーランド大会で第3GKとして争いに食い込み、U-17W杯ブラジル大会では守護神の座を勝ち取った鈴木彩艶が、今季途中から浦和レッズで日本代表GKの西川周作からポジションを奪ったことで、沖同様に最終メンバー候補に名乗りを挙げてきた。

 若くして経験を積み、一番手の最有力候補と目されてきた彼にとって、ライバルの出現は大きなプレッシャーであった。だが、彼はそれを常に自分の成長へと結びつけてきた。

「ライバルは本当に多いと思います。同級生もそうだし、下もそうですが、A代表に参加してみて、川島永嗣さん、権田修一さん、シュミット・ダニエルさんはすべての面で細かくてハイレベル。それをいつも目の当たりにしているので、『自分が一番』なんて思ったことは一度もありません」

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