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帝京が10大会ぶりのインターハイ出場! 名門復活へ、指揮官も感謝を示す先輩たちが繋いできた“新たな伝統”

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2021年06月20日

過去の選手たちが残していった“財産”とは

インターハイ東京都予選準決勝。決勝点後には、日比監督も選手を抱き寄せて喜びを爆発させた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 選手獲得のためにいくら監督が奔走しても、チームに魅力を感じてもらわなければ生徒は帝京を選んでくれない。そうした我慢の日々を過ごしていく中で、転機になったのが2018年だ。最上級生だったMF三浦颯太(日本体育大3年/ヴァンフォーレ甲府入団内定)、MF佐々木大貴(日本体育大3年)、FW赤井裕貴(明治大3年)らを擁し、選手権予選でも優勝候補の筆頭に挙げられた。惜しくも決勝で敗れたものの、東京都リーグ1部優勝を果たして挑んだ同年12月の参入戦を制し、プリンスリーグ関東に昇格。翌年から一つ上のステージで戦う権利を後輩たちに残した。

 そんな彼らの姿や振る舞いを見て入学を決意したのが、今の3年生や2年生たちだ。決勝点を決めた福地もそのひとりで、「入れ替わりの代だったけど、颯太君は中学3年生の時に参加した練習会でよくしてもらい、今でも連絡を取っている」。

 日比監督だけではなく、コーチ陣も含めて選手たちと向き合ってきた中で、巡り合った三浦たちの世代。彼らが築いた“帝京の新たな伝統”に、指揮官も感謝の気持ちを持っている。

「三浦や佐々木たちが来てくれて、(チームを)変えてくれた。それから中学生の選手たちから、帝京を選んでもらえるようになったんです。そこは本当に嬉しかった。現在の帝京は少人数で活動している。一学年60人ぐらいいれば話は別だけど、一学年20人前後だから選手たちが伸びてくれないと戦力が高まらない。帝京に行きたいと思ってくれるようになったのは、先輩たちが作ってくれた財産です」
 
 シルバーコレクターを脱却し、ついに掴んだ全国大会への挑戦権。しかし、日比監督は“復活”という言葉を口にしない。何故ならば、選手権に出場しなければ、“復活”とは言えないからだ。

「インターハイに出場するだけではいけない。選手権に出場し、全国を獲らないといけない。そこを成し遂げるためにはもう2段階ほどレベルアップしないといけないし、強豪校とは戦えない」(日比監督)

 今年は2年生主体のチーム。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により試合経験を積めなかったからこそ、夏のインターハイは選手権出場を見据えた上で貴重な成長の場となる。だが、久々に出場する全国の舞台。腕試しをするつもりで挑む気はない。世代別代表歴を持つ左SB入江羚介、FW齊藤慈斗(いずれも2年)は個で勝負できるタレントで、チーム力だけを見ても十分に全国で戦える。上位進出を果たせれば、帝京を志望する選手を増やすきっかけとなる可能性は高い。紡いできた新たな伝統を後輩たちに繋ぐ――。

 “伝統校復活”の足がかりを作るためにも、10年ぶりに出場するインターハイで帝京の名を全国に轟かせてみせる。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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