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なぜアーセナルで世界トップクラスのGKを育てたアイルランド人指導者は、日本の高校で監督を引き受けたのか?

カテゴリ:高校・ユース・その他

加部 究

2021年06月19日

15~18歳は、選手の育成にはとても大切な時期。私の知識を伝授する良い機会だ」

相生学院のトレーニング風景。ペイトン監督は選手寮の一角に住み込み、指導にあたっているという。写真提供:相生学院高サッカー部

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 アイルランド代表の守護神で、アーセナルでは世界でもトップクラスのGKを育て、欧州の最前線に身を置いて来たペイトンが、日本で高体連のチームを率いる。あまりに落差の大きな選択について、本人に聞いた。

「淡路島は風光明媚で私の自宅から2時間半で通える。人々も暖かく居心地は最高です。その気になれば、いつでも妻や息子にも会えるし、何より息子の成長を近くで見守ることが出来る。また相生学院はしっかりとオーガナイズされ、選手たちは高いテクニックを備えるだけではなく、知的で敬意を持って私にもサッカーにも向き合っています。15~18歳は、選手の育成にはとても大切な時期。私の知識を伝授する良い機会だし、コロナ禍を乗り越え日本で働けるのは、とても幸せなこと。自然な流れで仕事を始めています」

 上船総監督は、敢えて通訳をつけずにペイトンを迎えた。
「英語はいずれ必要になる。こちらが覚えて行けばいい」

 総監督も負けず劣らずポジティブ思考だった。ペイトンは監督に就任すると選手寮の特別ルームに住み込み、毎日朝から上船総監督とトレーニングメニューの確認などで時には3時間近くも話し込んでからピッチに出ていく。

「トシ(上船総監督)とは、お互いの言い分を完全に理解し合った上でトレーニングに入っています。日本に住んで3年間になりますが、風土、環境、文化の全てが大好きで、淡路島の生活にも選手たちにもスムーズに溶け込み、また選手たちもそう感じてくれていると思います」
 
 上船は、わずか1週間ほどで「ピッチ上のことは全く問題ない」ほどペイトンの英語を理解するようになったそうで「もう僕が通訳を出来ますよ」と胸を張る。

 これまでペイトンは、ボイチェフ・シュチェスニー(ユベントス)ウカシュ・ファビアンスキー(ウェストハム=ともにポーランド代表)エミリアーノ・マルティネス(アストン・ヴィラ=アルゼンチン代表)イエンス・レーマン(元アーセナル=元ドイツ代表)など数々の最高レベルのGKを指導してきた。

「私には絶大な経験があります。一方選手たちは、学ぶことに貪欲です。すでに相生学院からはプロ契約をする選手が出ましたが、さらに多くのJリーガーを育てていくことが目標になります。また私は、海外でプレーするために何が必要かも知っています。コンスタントにプレーするために必要なことだけではなく、高額な報酬を得てもお金に惑わされないこと、良い決断力を養う方法なども伝えていきたいと思っています」
 
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