クーマン政権下では陣容の土台も築かれたが…
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オランダの対象30試合は、監督で3つの時期に分けられる。ロナルド・クーマンを代表監督とした2018年2月~2020年8月までの「クーマン政権下」と、その前後だ。勝率を比べると――。
・クーマン前 勝率36%(11試合4勝)
・クーマン政権下 勝率58%(12試合7勝)
・クーマン後 勝率43%(7試合3勝)
誤算はクーマンの辞任だっただろう(2020年8月~バルセロナの監督に)。クーマン政権下では、大国との対戦でも白星を重ねていたのだ。
・クーマン前のvs.大国 勝率0%(2試合0勝)
・クーマン政権下のvs.大国 勝率50%(8試合4勝)
・クーマン後のvs.大国 勝率0%(2試合0勝)
勝利の軌跡はこうだ。18年10月にまずはドイツを3-0で下すと、その翌月にはフランスを2-0で破る。19年6月にはイングランドから3-1の勝利を収め(以上はUEFAネーションズ・リーグ)、同年9月には4-2でふたたびドイツに土をつけている(EURO2020予選)。
クーマン政権下では陣容の土台も築かれた。メンフィス・デパイが“偽のCF”として覚醒しただけでなく、中盤センターのフレンキー・デヨングとCBのマタイス・デリフトという新たな中核が台頭している。こうした上昇機運が、不意の監督交代で途切れてしまったのが惜しまれる。
オランダの対象30試合は、監督で3つの時期に分けられる。ロナルド・クーマンを代表監督とした2018年2月~2020年8月までの「クーマン政権下」と、その前後だ。勝率を比べると――。
・クーマン前 勝率36%(11試合4勝)
・クーマン政権下 勝率58%(12試合7勝)
・クーマン後 勝率43%(7試合3勝)
誤算はクーマンの辞任だっただろう(2020年8月~バルセロナの監督に)。クーマン政権下では、大国との対戦でも白星を重ねていたのだ。
・クーマン前のvs.大国 勝率0%(2試合0勝)
・クーマン政権下のvs.大国 勝率50%(8試合4勝)
・クーマン後のvs.大国 勝率0%(2試合0勝)
勝利の軌跡はこうだ。18年10月にまずはドイツを3-0で下すと、その翌月にはフランスを2-0で破る。19年6月にはイングランドから3-1の勝利を収め(以上はUEFAネーションズ・リーグ)、同年9月には4-2でふたたびドイツに土をつけている(EURO2020予選)。
クーマン政権下では陣容の土台も築かれた。メンフィス・デパイが“偽のCF”として覚醒しただけでなく、中盤センターのフレンキー・デヨングとCBのマタイス・デリフトという新たな中核が台頭している。こうした上昇機運が、不意の監督交代で途切れてしまったのが惜しまれる。
暫定監督を挟み、2020年9月からクーマンの後任を務めるフランク・デブール現監督の勝率は40%(対象30試合中5試合2勝)とはいえ、情状酌量の余地もある。世界最高のCBと評されるまでになったフィルジル・ファン・ダイクを20年10月の大怪我で失うはめになったからだ。結局、ファン・ダイクはEURO2020に間に合わず、大会欠場を余儀なくされた。
気の毒と言えば、個人勝率31%(16試合5勝)がオランダ登録メンバーのワースト2位となったCFのルーク・デヨングだ。記録を詳しく見てみると、オランダがリードを許しているかタイスコアのまま迎えた試合終盤からの出場が16試合中11試合を占めている。その11試合で勝利に漕ぎ着けたのは2試合だけなので、それは勝率も上がってこないわけだ(ただし、L・デヨングが先発フル出場した3試合の勝率も33%と低かった)。
もちろんオランダにも希望はある。クーマン政権下で大国を倒した4試合全てに先発出場した選手を確認してみると、デパイ、F・デヨング、デリフトのほかに、中盤センターのジョルジニオ・ヴァイナルダムとマルテン・デローン、左SB兼CBのダレイ・ブリント、右SBのデンゼル・ドゥムフリース、そしてGKのヤスパー・シレッセンまで、今回の登録メンバーに合わせて8人が名を連ねている。いや、連ねていた。
「正守護神と予想されたシレッセンが、大会直前にコロナ陽性で登録外となったのは、もしかすると痛恨かもしれません」
聞こえてきたのは「数字」の声だ。
たしかにシレッセンの不在時勝率は、ファン・ダイクと同じ38%(両者とも8試合3勝)。不在時勝率が36%(11試合4勝)のF・デヨングや、35%(17試合6勝)のドゥムフリース、そして0%(1試合0勝)のヴァイナルダムと同様、重要な戦力だったのが察せられるだろう。
隠れた切り札はファン・ダイクの、そしてシレッセンの穴を埋める選手なのかもしれない。
データ参照元「FootyStats」 https://footystats.org/jp/
取材・文●手嶋真彦
【PHOTO】海外番記者・識者が選んだ「オランダ代表のレジェンド完全格付けTOP10」を厳選ショットで振り返り!
気の毒と言えば、個人勝率31%(16試合5勝)がオランダ登録メンバーのワースト2位となったCFのルーク・デヨングだ。記録を詳しく見てみると、オランダがリードを許しているかタイスコアのまま迎えた試合終盤からの出場が16試合中11試合を占めている。その11試合で勝利に漕ぎ着けたのは2試合だけなので、それは勝率も上がってこないわけだ(ただし、L・デヨングが先発フル出場した3試合の勝率も33%と低かった)。
もちろんオランダにも希望はある。クーマン政権下で大国を倒した4試合全てに先発出場した選手を確認してみると、デパイ、F・デヨング、デリフトのほかに、中盤センターのジョルジニオ・ヴァイナルダムとマルテン・デローン、左SB兼CBのダレイ・ブリント、右SBのデンゼル・ドゥムフリース、そしてGKのヤスパー・シレッセンまで、今回の登録メンバーに合わせて8人が名を連ねている。いや、連ねていた。
「正守護神と予想されたシレッセンが、大会直前にコロナ陽性で登録外となったのは、もしかすると痛恨かもしれません」
聞こえてきたのは「数字」の声だ。
たしかにシレッセンの不在時勝率は、ファン・ダイクと同じ38%(両者とも8試合3勝)。不在時勝率が36%(11試合4勝)のF・デヨングや、35%(17試合6勝)のドゥムフリース、そして0%(1試合0勝)のヴァイナルダムと同様、重要な戦力だったのが察せられるだろう。
隠れた切り札はファン・ダイクの、そしてシレッセンの穴を埋める選手なのかもしれない。
データ参照元「FootyStats」 https://footystats.org/jp/
取材・文●手嶋真彦
【PHOTO】海外番記者・識者が選んだ「オランダ代表のレジェンド完全格付けTOP10」を厳選ショットで振り返り!