三笘は、改めて言うまでもなくドリブル突破が最大の武器だが、彼はパスも上手い。ボールの置き方は同じままで、縦に行くか、カットインするか、あるいはパスを出すか。その３つの選択肢を持っていて、フォームを変えず状況に応じて最適解を導き出す。パスを出す時のモーションも小さいから、相手からすれば反応が一歩遅れるし、予測しづらいと思う。

　相馬も三笘もガーナ戦でゴールを決めて、ともにアピールに成功。左サイドのスタメン争いは楽しみだね。

　守備面に目を向ければ、ボランチの遠藤と田中が鋭い出足でピンチを未然に防ぎ、たとえそこを抜かれても、CBの吉田と冨安が隙のないディフェンスを見せていた。

　吉田は、田中に対してラフなチャージをした相手に激しく詰め寄るシーンもあった。あの行動は、田中からすれば相当に嬉しかったはずだし、勇気を与えてもらったと思う。血相を変えて自分のために戦ってくれている、守ってくれている、と。

　吉田には吉田なりの意図があってのことだとは思うが、その振る舞いを見て、若い選手たちが何かを感じないわけがない。チームワークや一体感を高めるのは、意外とこういう事象だったりもする。あれは吉田のファインプレー。見逃してはいけない。チームはさらにひとつにまとまったのではないだろうか。
 

　あえて懸念材料を挙げれば、CFか。ガーナ戦で先発した上田ほか、前田、田川、林など有望なタレントは揃っている。それぞれ特長があり、ポテンシャルも秘めていると思うが、フル代表の大迫のような軸は誰なのかと考えると、今一つ決め手に欠ける印象だ。

　熾烈なサバイバルで誰が生き残りそうか。12日のジャマイカ戦では、その点も注目して見てみたい。

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