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連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】J2で大躍進の金沢、原動力はミスのない「ふたつの顔」

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2015年05月18日

ふたつの試合運びに通底する特徴とは――。

後半アディショナルタイムに起死回生の同点ゴールを決めた辻も、「残留が目標に変わりはない」と謙虚な姿勢を崩さない。森下監督のイズムが、しっかりとチームに行き渡っているようだ。 (C) J.LEAGUE PHOTOS

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 ロスタイムの千葉の猛攻を凌ぎ切り、金沢は勝点1をつかみ取った。彼らは堅守速攻と自ら攻め込むふたつの顔を見せたが、そのふたつの試合運びに通底する特徴が存在する。
 
 それはミスが非常に少ないということ。
 
 イージーミスはもちろん、密集の中で慌てて敵にボールを渡したり、ポジショニングの遅れから逆襲を食らうようなシーンがほとんどない。これは「次に何をすべきか」、「何をしてはいけないのか」が選手たちの頭の中で、しっかりと整理されていることを意味する。実際に森下監督のトレーニングは、ものすごく細かいそうだ。
 
 試合後の会見で森下監督は、「チームがJ2残留を目指す中で、とても大きな引き分けだった」と述べた。岡山戦でもそうだったから、残留について言及するのは恒例かもしれない。それは色気を出さず、目の前の一戦に集中するための意識づけでもあるのだろう。
 
 殊勲のゴールを決めた辻が、面白いことを話していた。
「確かに調子がいいですが、残留が目標というのは変わりません。その証拠に選手のみんなは、試合のたびに下位チームの結果を気にしているんですから」
 
 すでに勝点28を手にした金沢は、昨年のJ2で自動降格した最下位、カターレ富山の勝点23を大きく超えた。入替戦残留を決めた21位、カマタマーレ讃岐の勝点33を超える日も近い。
 
 もうすでに、金沢をJ3降格候補だと考える人はいないはずだ。だが彼ら自身はJ2昇格1年目の謙虚さを失わず、目の前のやるべきことに全力で取り組み続けるに違いない。
 
 やるべきことをやり続けた千葉戦では、最後に大きな歓喜が待っていた。シーズンはまだ3分の1を終えただけだが、半年後、彼らは大きな果実を手にしているかもしれない。
 
取材・文:熊崎敬
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