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連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】「また怒ってる」闘莉王は、なにを理解してほしかったのか

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2015年05月10日

多くの選手がサッカーをする喜びを体現していない。

【警告】名古屋=牟田(60分)、矢野(72分) 川崎=井川(32分)、角田(59分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】大久保嘉人(川崎)

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「まだ理解できないのか」と言う闘莉王は、いったいなにを理解してほしいのだろう。それは次のようなことではないかと、私は思う。
 
 サポーターは週末の大事な時間を、大事な人たちと過ごそうとスタジアムに足を運ぶ。そんな彼らが夢中になれないゲームをするのは、プロフェッショナルのやることではない。プロならファンが自然とのめり込んで、日頃の憂さを忘れさせるようなプレーを見せなければならないのだ――。
 
 そういうことではないだろうか。
 
 闘莉王は、「こんな試合じゃダメだ」と、そう思いながらプレーしていた。その気持ちは十分に私に伝わったが、残念ながらチームメイトには伝わらず、おまけにサポーターが試合中に怒り出すこともなかった。
 
 ゴール裏を赤く染めたサポーターはいつものように熱心に応援し、大した抵抗もできないまま敗れたチームには試合後、拍手が送られた。闘莉王の怒り、やるせなさは、たぶん誰にも届いていない。
 
 Jリーガーたちは今、子どもの頃の夢を実現している。大好きなサッカーをお客さんに披露して、お金をもらう。場代を払ってフットサルに興じる私から見れば、雲の上の存在だ。それなのにJリーガーの多くはサッカーをする喜びを体現せず、そこに付随する責任も果たそうとしない。
 
 もっとも、これはJリーガーだけの問題ではないと思う。闘莉王は奇しくも「日本の悪い傾向じゃないですか」と語った。そう、これはサッカー界だけではない、日本という国全体の傾向なのだ。
 
 意見の衝突やミスを恐れて、淡々と生きる。週末のサッカーまで、そんなふうになっていいのだろうか。
 
取材・文:熊崎 敬
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