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連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】自ら切り崩す力も見せた金沢。謙虚な“サメ”は口を開けて待っているだけではない

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2015年05月09日

勝利を引き寄せる一番の近道は「負けないこと」。

「残留に向けて勝点1を積むことができた」と語る森下監督。この謙虚さがある限り、金沢が上位に居座り続けても不思議ではない。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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 終盤は完全に金沢ペースとなった。気迫と走力、動きの鋭さで岡山を圧倒。特に64分に投入された金子の積極果敢なドリブルは、チームに勢いをもたらした。
 
 金沢は次々とチャンスを迎え、終了間際にはFKからネットを揺らす。必死の応援を繰り広げたサポーターは沸き返ったが、無情にもオフサイドの判定によって取り消された。
 
 終盤の猛攻もむなしく、金沢は1-1で終了の笛を聞いた。前節、徳島戦に続くドロー。磐田に首位の座を明け渡した。
 
 首位陥落。しかし金沢にとって、このドローは後退を意味するものではない。初めてJ2を戦う金沢の目標は、あくまでも残留。下馬評とは打って変わって首位争いを演じようと、「負けないサッカー」の理念はまったく変わっていない。
 
 試合後、金沢の森下監督は「磐田、どうでした?」とライバルの動向を尋ねながらも、「残留に向けて勝点1を積むことができた」と語っていた。
 
 昇格間もない金沢は謙虚な姿勢を崩さず、負けないサッカーを貫こうとしている。この負けないサッカーが、彼らにとって勝利を引き寄せる一番の近道。負けないことが勝利につながる。
 
 サメは口を開けて待っているだけではない。この試合の後半、彼らは自発的に敵を切り崩す力を見せた。
 
 J2は一筋縄ではいかないリーグ。快進撃を見せるチームが突然、勝てなくなることも珍しくない。だが、金沢はかなりしたたかだ。上位に居座り続けても、決して不思議ではないと思う。

取材・文:熊崎 敬
 
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