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Jクラブはいかにして日本人守護神を育てるべきか? 元アーセナルGKコーチ、ジェリー・ペイトンの答えは…

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2021年04月21日

外国人GKとレギュラーを競い合うのと、無条件でゴールマウスに立つのでは、どちらが成長できるのか?

現在ペイトン氏の長男(前列中央)は、自身もGKコーチを務めた清水エスパルスのジュニアユースに所属している。ポジションはGKだ。写真:ジェリー・ペイトン氏提供

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 ペイトンは日本人女性と結婚し、長男は清水エスパルスのジュニアユースで活動している。そんな彼の目に日本サッカーの可能性は、どう映っているのだろうか。

「日本の最大の長所はボールを速く動かしていくテクニックだ。特にペナルティエリアに侵入していく時のテクニックが気に入っている。長短の視野を確保し、速いプレスもできる。何人かのストライカー、MF、DFの動きは、とても流動的で積極的だ。ただ唯一気になるのは、最初の15分間くらいで上手くいかないと急に自信を失い、時には修正できずに崩れてしまうことだ」

 ベンゲル指揮下のアーセナルのメンタリティとは、どう違うのだろうか。

「もちろんアーセナルにも波はあるし、途中で自信をなくして崩れてしまうのは世界中で起こり得ることだ。しかし当時のアーセナルには、とても特別なメンタリティや個性を持つ選手が溢れていた。まず監督のアーセン(ベンゲル)が特別な存在で、私はこういうやり方で勝ちに行くんだ、と明確に伝え、選手たちも常に強靭な精神と高い集中を保っていた。誰もが自信に満ちて、流れが悪くなっても自分が変えてみせるという気概を持っていた。アーセナルで過ごした時間は、私にとっても特別なものだった」

 安定したパフォーマンスを続けられるかどうかは、経験値と密接に関係する。そしてだからこそペイトンは、日本人GKに実戦でプレーさせるべきだと考える。

「ゲームは最高の先生なんだ。成長するためにはゲームでプレーしなければいけない。試合でプレーをすれば、自分にはどんな特徴があり、どんな弱点があるかを見つけられる。それを活かすためにトレーニングをして、また試合に向けて準備をする。もし試合に出て、トレーニングでやって来たことが正しかったと実感できれば、さらに自信を深めて良いプレーが出来る。チームの勝利にも繋がっていくんだ」

 では日本人GKがチーム内の外国人GKとレギュラーを競い合うのと、無条件でゴールマウスに立つのでは、どちらが成長できるのだろうか。

「間違いなく試合に出る方だ。GKは試合に出ることで、ボールや選手たちが走るスピードを感じ取り、それに即した判断ができるようになる。また試合に出るからこそ流れも読めるようになる。そして試合で見つけたことを参考にトレーニングを考える。それは勉強をしてテストを受けるサイクルと同じだ。ゲームでプレーすることと、正しいトレーニングがセットになる。これがとても重要だ」
 
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