• トップ
  • ニュース一覧
  • なぜ日本では優秀なGKが育ちにくいのか? 元アーセナルGKコーチが語る問題点「日本でナンバーワンの権田でさえ…」

なぜ日本では優秀なGKが育ちにくいのか? 元アーセナルGKコーチが語る問題点「日本でナンバーワンの権田でさえ…」

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2021年04月19日

ペイトンは多くのJクラブがGKのポジションを助っ人に託す状況を残念に思う

2018年から2シーズンにわたり清水のGKコーチも務めた。19年には若手の梅田の起用を推したのだが……。写真:ジェリー・ペイトン氏提供

画像を見る

「Jリーグが発足してから、日本サッカーは急速な進歩を遂げて来た。最近では南野拓実がリバプールへ加入したが、多くのフィールドプレーヤーがドイツ、イタリア、イングランドなど世界でトップレベルのリーグでプレーをするようになった。しかしそれだけに、もう少しGKの育成に焦点を当てていくべきだと思う。今の日本代表でGKはさらに改善できるポジションだから、そこを克服できれば世界を驚かせるチームが出来上がるはずだ」

 ただしペイトンは、日本人のGKも着実に進化はしていると語る。
「ビルドアップに加わりフィードが良くなり、パワフルで速い動きができてゲームを読めるGKが出てきている。特にJリーグでは、権田修一(清水)と前川黛也(神戸)のプレーが楽しいのでよく見ているよ。権田は先日の日本代表戦では、あまりやることがなかったけれど、基本的にゲームを読める優秀なGKだ」

 それだけにペイトンは、多くのJクラブがGKのポジションを助っ人に託す状況を残念に思う。
「もちろん全てのポジションでベストプレーヤーを使おうとするのは悪いことではない。J2への降格リスクを考えれば監督への重圧は大きいから、すぐに結果を望める助っ人選手の起用に走るのは理解できるし、それはMFやストライカーでも同様だ。しかしGKというのは、とても重要なポジションなんだ。私はアーセナルで15年間仕事をしたわけだが、優れたGKがいたことがチームの屋台骨となった。Jクラブも我慢してひとりでも優秀なGKを育てれば、それが将来大きな武器になる」

 率直にペイトンは、助っ人GKの活用が大きなアドバンテージになっているとは考えていない。
「外国籍で物凄く大きなインパクトを残したGKは見ていないし、少なくともプレミアリーグでプレーできるレベルの選手はいない」

 実際ペイトンは、清水時代にも「もっと日本人の若いGKを育てていこう」と提案し、当時19歳だった梅田透吾をトップチームで使うように推薦した。

「透吾はU-17日本代表にも選ばれた優秀なGKだった。2019年シーズンで彼は17試合でプレーしたが、特に最初の10試合くらいは非常に良いプレーをしていたんだ。でも残念ながらチームは下位に低迷したままで、それからはベテランの大久保択生が出ることになった。透吾はたくさんのセーブをしてチームを救ったはずなのに、あまりに大きな責任を感じてしまった。GKには心理的なサポートがとても大切なんだ」
 
【関連記事】
日本が優秀なGKを育てるためには何が必要なのか?「ファン・デル・サルは12歳、レーマンも11歳までは…」
「コイツすげえな」内田篤人が絶賛した日本人選手は?「代えはいない。特長がないと思われがちだけど…」
ノイアーみたいなGK!? 9秒台狙う桐生祥秀のサッカー少年時代を恩師、後輩らが証言
「信じられない経験をした」F・トーレスが日本時代を回想!「だから1年しか滞在しなかった…」
才能だけで久保建英は生まれない。元バルサ育成指導者が日本の状況に覚えた違和感とは

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ