民放で放送されるゴルフ。サッカーの現状は?
それでも僕の知人は僕にゴルフを通して良いことも教えてくれた。それは勝手に辞めさせないために「ヤスカップ」というゴルフコンペを企画したのである。
これは1年に1回。年末のJリーグシーズンが終わって年が明けるまでの期間に開催され、計4回行なわれた。
たくさんの人が協力してくれて、ド派手な景品も集まり、参加はしないがカズや(小野)伸二のユニホームなど、賞品も順位が上の人だけが良いのではなく誰もが楽しめるような工夫もした。例えば、現役時代の僕の背番号である5がついた景品を豪華にして、55位に腕時計という年には僕がそれをもらってしまったこともあった。
ただし、監督になってからは続けなかった。その理由は2つある。
ひとつは日本文化。ゴルフというスポーツでありながら、日本では公的な人間がプレーをしていることにネガティブなイメージを持つ人が多い。海外では社交の場であったり、休養としてリスペクトされているが、日本では遊び、娯楽、贅沢のように受け止める人が多いからだ。今は、少しはマシになったのかもしれないが、当時であれば「監督が何ゴルフやってるんだ!」と言われてもおかしくなかったし、僕も現役時代、エスパルスの選手がゴルフの練習に夢中になって、そればかりしてると、「そんな時間あったらサッカーの練習やれ!」なんて冗談半分、真面目半分で言ったもんだ。
そして、もうひとつはゴルフというスポーツの特性だ。これは、プロレベルでは違うであろうが、僕らは練習がコースの結果に比例しない。練習をやればやるほど下手になる。
前日、打ちっ放し場で上手く打てたのに当日は全く芯に当たらない。逆に3か月練習をする暇がなく、寒くてやらずに、久しぶりにコースへ出たら、いつもより上手く打てたとか、スコアが良かったとか……。
サッカーで3か月練習を休んでいたらどうなるか? 戻すのに3か月はかかるであろう。結果、僕には合っていないと自己評価をしたのである。
それにしてもゴルフ人気は凄い! コロナ禍だが、アウトドアスポーツで密も少なく換気もいい。接触もなく、しっかり距離を取れば人に触れたり、飛沫を心配する必要もない。
今回の優勝でよりゴルフ人気は高まるであろう。
今、問題になっている、アメリカでのアジア人差別が異常に行なわれているというネガティブなニュースが流れる中で、松山英樹選手のマスターズの優勝は無言のメッセージとして世界中に影響力が発信されていくことだろう。
そしてサッカー界は危機感を持たなければならない。一昨年、2019年、日本人で女子プロの渋野日向子選手が全英オープンで42年ぶりに優勝を果たした。
テニス界では大坂なおみが2018年から2021年で全米、全豪と2回ずつ優勝を収めている。男子であれば錦織圭は自己最高位は4位。全米準優勝(2014)、全豪は4度のベスト8という外国人選手との体格差をハンデとせず、世界に通用する姿を何度も見せてくれた。
バスケットボールでは八村塁選手がNBAで2019年のドラフト一巡目で指名を受け、現在は第一線で活躍している。
世界で通用する日本人選手を誇りに思う。「サッカーは何をやってる?」と言われて奮起しなくてはいけない。サッカー界はこの松山英樹選手の快挙を危機感にして、世界を目指しワールドカップに望まなければならない。
松山英樹選手の優勝に酔いしれず時間を短めにしてサッカー界も同じ位置を目指さなければいけない。
いまやJリーグの試合は民放では流れない。夜中、いや朝方、民放で流れたマスターズの最終日。
サッカー界は危機感を持たなければいけない……。
2021年4月12日
三浦泰年
これは1年に1回。年末のJリーグシーズンが終わって年が明けるまでの期間に開催され、計4回行なわれた。
たくさんの人が協力してくれて、ド派手な景品も集まり、参加はしないがカズや(小野)伸二のユニホームなど、賞品も順位が上の人だけが良いのではなく誰もが楽しめるような工夫もした。例えば、現役時代の僕の背番号である5がついた景品を豪華にして、55位に腕時計という年には僕がそれをもらってしまったこともあった。
ただし、監督になってからは続けなかった。その理由は2つある。
ひとつは日本文化。ゴルフというスポーツでありながら、日本では公的な人間がプレーをしていることにネガティブなイメージを持つ人が多い。海外では社交の場であったり、休養としてリスペクトされているが、日本では遊び、娯楽、贅沢のように受け止める人が多いからだ。今は、少しはマシになったのかもしれないが、当時であれば「監督が何ゴルフやってるんだ!」と言われてもおかしくなかったし、僕も現役時代、エスパルスの選手がゴルフの練習に夢中になって、そればかりしてると、「そんな時間あったらサッカーの練習やれ!」なんて冗談半分、真面目半分で言ったもんだ。
そして、もうひとつはゴルフというスポーツの特性だ。これは、プロレベルでは違うであろうが、僕らは練習がコースの結果に比例しない。練習をやればやるほど下手になる。
前日、打ちっ放し場で上手く打てたのに当日は全く芯に当たらない。逆に3か月練習をする暇がなく、寒くてやらずに、久しぶりにコースへ出たら、いつもより上手く打てたとか、スコアが良かったとか……。
サッカーで3か月練習を休んでいたらどうなるか? 戻すのに3か月はかかるであろう。結果、僕には合っていないと自己評価をしたのである。
それにしてもゴルフ人気は凄い! コロナ禍だが、アウトドアスポーツで密も少なく換気もいい。接触もなく、しっかり距離を取れば人に触れたり、飛沫を心配する必要もない。
今回の優勝でよりゴルフ人気は高まるであろう。
今、問題になっている、アメリカでのアジア人差別が異常に行なわれているというネガティブなニュースが流れる中で、松山英樹選手のマスターズの優勝は無言のメッセージとして世界中に影響力が発信されていくことだろう。
そしてサッカー界は危機感を持たなければならない。一昨年、2019年、日本人で女子プロの渋野日向子選手が全英オープンで42年ぶりに優勝を果たした。
テニス界では大坂なおみが2018年から2021年で全米、全豪と2回ずつ優勝を収めている。男子であれば錦織圭は自己最高位は4位。全米準優勝(2014)、全豪は4度のベスト8という外国人選手との体格差をハンデとせず、世界に通用する姿を何度も見せてくれた。
バスケットボールでは八村塁選手がNBAで2019年のドラフト一巡目で指名を受け、現在は第一線で活躍している。
世界で通用する日本人選手を誇りに思う。「サッカーは何をやってる?」と言われて奮起しなくてはいけない。サッカー界はこの松山英樹選手の快挙を危機感にして、世界を目指しワールドカップに望まなければならない。
松山英樹選手の優勝に酔いしれず時間を短めにしてサッカー界も同じ位置を目指さなければいけない。
いまやJリーグの試合は民放では流れない。夜中、いや朝方、民放で流れたマスターズの最終日。
サッカー界は危機感を持たなければいけない……。
2021年4月12日
三浦泰年