分厚かった紙一重を破る方策を見つけなければ。
前半の好パフォーマンスを考えれば、フォーメーションや試合運びなど下手にイジらない方が得策だったとも思える。だがスコアは1点ビハインドで、その上、後半開始早々から仙台は押し込まれてしまった。今を続けた先に、勝利への道筋は見えていたのだろうか。
61分に負傷明けの菅井が投入された。しかし、退いた多々良のパフォーマンスは決して悪くなかった。だとしたら、金園を早めにプレーさせる選択をしても良かったはず。また、4-1-4-1がハマらなくなってしまった段階で4-4-2に切り替える手段を選んでも良かったのではないだろうか。
もちろん、これは結果論であって、状況を上から見ていた記者の「たら、れば」話なのも承知の上だ。これを以って「監督の腕前の差」だと結論付けるのも早計かもしれない。シュート数(前半は6:7、後半は8:6)を比較しても、CK数(前半は4:2、後半は2:2)や直接FK数(前半は6:5、後半は10:9)の数字を眺めても、結果や内容を振り返っても、両者が拮抗していたのは窺える。
だが、勝者と敗者の色分けがはっきりとついたのも事実。苦しい時間帯を耐えて風向きが変わるのを待った鹿島は勝点3を手にして順位を上げ、自分たちの流れを信じた仙台は足踏みを続ける。現状を「良くなっている」という言葉で脇に置いて、「切り替える」だけの時期は終わったのではないだろうか。
昨季は5連敗目を喫した25節の鹿島戦を契機に残留を勝ち取っている。今季も連敗中のシチュエーションで常勝軍団をホームに迎えて黒星を増やした。自前の若手を育て、試合を俯瞰して采配を振るったブラジル人指揮官の今日のレッスンから、前回同様に“なにか”を感じ取れれば……。選手のリバウンドメンタリティと合わさり、きっと上昇気流を掴んでくれるに違いない。
勝者と敗者を隔てる壁は紙一重かもしれないが、今日のそれは分厚かった。リーグ下位という定位置をブレイクスルーするための試練が、チームと渡邉監督の目の前に立ちはだかっている。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
61分に負傷明けの菅井が投入された。しかし、退いた多々良のパフォーマンスは決して悪くなかった。だとしたら、金園を早めにプレーさせる選択をしても良かったはず。また、4-1-4-1がハマらなくなってしまった段階で4-4-2に切り替える手段を選んでも良かったのではないだろうか。
もちろん、これは結果論であって、状況を上から見ていた記者の「たら、れば」話なのも承知の上だ。これを以って「監督の腕前の差」だと結論付けるのも早計かもしれない。シュート数(前半は6:7、後半は8:6)を比較しても、CK数(前半は4:2、後半は2:2)や直接FK数(前半は6:5、後半は10:9)の数字を眺めても、結果や内容を振り返っても、両者が拮抗していたのは窺える。
だが、勝者と敗者の色分けがはっきりとついたのも事実。苦しい時間帯を耐えて風向きが変わるのを待った鹿島は勝点3を手にして順位を上げ、自分たちの流れを信じた仙台は足踏みを続ける。現状を「良くなっている」という言葉で脇に置いて、「切り替える」だけの時期は終わったのではないだろうか。
昨季は5連敗目を喫した25節の鹿島戦を契機に残留を勝ち取っている。今季も連敗中のシチュエーションで常勝軍団をホームに迎えて黒星を増やした。自前の若手を育て、試合を俯瞰して采配を振るったブラジル人指揮官の今日のレッスンから、前回同様に“なにか”を感じ取れれば……。選手のリバウンドメンタリティと合わさり、きっと上昇気流を掴んでくれるに違いない。
勝者と敗者を隔てる壁は紙一重かもしれないが、今日のそれは分厚かった。リーグ下位という定位置をブレイクスルーするための試練が、チームと渡邉監督の目の前に立ちはだかっている。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)