U-24代表に生き残るカギは周囲と呼吸を合わせられること
一方久保は、個人でボールを持っている時には「その先」を期待させてくれる。
しかし、味方と絡んで局面を打開するシーンが少なく、孤軍奮闘の感が漂っていた。これはU-24代表だけの話ではなく、A代表でも割りとよく見かけるシーンだ。孤立するシーンが徐々に多くなり、やがて消えていってしまう。自分が活きるため、そして決定的なチャンスを作るために、味方をどう活かしていくべきなのか。久保はチームメイトと一歩も二歩も相互理解を深め、もっと共闘することが必要だろう。
攻撃面でいえば、ボランチのパスにも課題が残った。
アルゼンチンはセンターバックが高い位置に上がり、強烈な縦パスを入れて、攻撃のスイッチを入れていた。深いところからの縦パスはかなりの技術、精度を要するが、「これが世界レベルのパスだ」と言わんばかりのクオリティ。だからこそ、味方の動きを一気に攻撃に変える力を持っていた。A代表のボランチ、遠藤航が意識しているパスでもある。
中山雄太は守備が強く、渡辺皓太は機動力があるボランチだが、攻撃をスタートさせる効果的な縦パスがほとんどなかった。田川や久保の背後を狙ってどんどん入れていけば、と思っていたが、相手の出足の鋭さと前の推進力にどうしても守備に追われる時間が長く、足下に近いパスがほとんどだった。これではなかなか攻撃のリズムは作れない。ビルドアップでもセンターバックの間や脇に入ったり、展開を変える工夫をしていかなければ、なかなか流れは変えられない。ボランチは勇気を持って前に入れていく覚悟が次の試合で試されることになる。
しかし、味方と絡んで局面を打開するシーンが少なく、孤軍奮闘の感が漂っていた。これはU-24代表だけの話ではなく、A代表でも割りとよく見かけるシーンだ。孤立するシーンが徐々に多くなり、やがて消えていってしまう。自分が活きるため、そして決定的なチャンスを作るために、味方をどう活かしていくべきなのか。久保はチームメイトと一歩も二歩も相互理解を深め、もっと共闘することが必要だろう。
攻撃面でいえば、ボランチのパスにも課題が残った。
アルゼンチンはセンターバックが高い位置に上がり、強烈な縦パスを入れて、攻撃のスイッチを入れていた。深いところからの縦パスはかなりの技術、精度を要するが、「これが世界レベルのパスだ」と言わんばかりのクオリティ。だからこそ、味方の動きを一気に攻撃に変える力を持っていた。A代表のボランチ、遠藤航が意識しているパスでもある。
中山雄太は守備が強く、渡辺皓太は機動力があるボランチだが、攻撃をスタートさせる効果的な縦パスがほとんどなかった。田川や久保の背後を狙ってどんどん入れていけば、と思っていたが、相手の出足の鋭さと前の推進力にどうしても守備に追われる時間が長く、足下に近いパスがほとんどだった。これではなかなか攻撃のリズムは作れない。ビルドアップでもセンターバックの間や脇に入ったり、展開を変える工夫をしていかなければ、なかなか流れは変えられない。ボランチは勇気を持って前に入れていく覚悟が次の試合で試されることになる。
前半の序盤にはチャンスを作り、後半は田川が交代するまでは攻撃で良い流れを作っていた。フィニッシュはいつも決定力の話になるが、アルゼンチンは難しいゴールを決め、日本は決められなかった。スコアは1点差だが、内容的にはやはり差があった。
ただ、チャンスはもう一度ある。
一度試合をしたので、相手のことはもちろん、久保や三笘も仲間のプレーを多少は理解することができたはずだ。練習の際にコミュニケーションを取ることで、さらに考えのすり合わせもできるだろう。
そうして次の試合でコンビネーションと個人の打開を組み合わせ、相手に的を絞らせないような攻撃ができれば、チャンスの回数をより多く作れるだろう。東京五輪のメンバー選考を兼ねている大事な試合だけに個人のアピールも必要だが、どんな選手とでもうまく呼吸を合わせ、コンビで打開していけるプレーを披露できる選手こそ18名という少数精鋭のU-24代表に生き残ることができる。
2戦目では多くの選手が絡み、流れるような攻撃でゴールを奪い、内容と結果が伴う試合を見せてほしい。
取材・文●佐藤 俊(スポーツライター)
【PHOTO】U-24日本0-1U-24アルゼンチン|久保・三笘らチャンスを作るもゴールをこじ開けられず… 3日後の再戦に期待
ただ、チャンスはもう一度ある。
一度試合をしたので、相手のことはもちろん、久保や三笘も仲間のプレーを多少は理解することができたはずだ。練習の際にコミュニケーションを取ることで、さらに考えのすり合わせもできるだろう。
そうして次の試合でコンビネーションと個人の打開を組み合わせ、相手に的を絞らせないような攻撃ができれば、チャンスの回数をより多く作れるだろう。東京五輪のメンバー選考を兼ねている大事な試合だけに個人のアピールも必要だが、どんな選手とでもうまく呼吸を合わせ、コンビで打開していけるプレーを披露できる選手こそ18名という少数精鋭のU-24代表に生き残ることができる。
2戦目では多くの選手が絡み、流れるような攻撃でゴールを奪い、内容と結果が伴う試合を見せてほしい。
取材・文●佐藤 俊(スポーツライター)
【PHOTO】U-24日本0-1U-24アルゼンチン|久保・三笘らチャンスを作るもゴールをこじ開けられず… 3日後の再戦に期待