ビルドアップへの言及が多い現状は理想形から見れば初期段階を抜けていないということ
浦和は2017年夏に現在札幌を率いるミハイロ・ペトロヴィッチ監督が退任して以来、徐々にボールを持たないチームへと変わっていった。だからこそ、今季のスタートはマイボールに視点が向いている感があるが、仮にペトロヴィッチ監督の後任がロドリゲス監督だったならば、相手ボール時の整理が最初に来たのではないか。もちろん、理想はボールを保持し、敵陣に押し込んだまま支配して勝利するところにあると指揮官は明言している。一方で、目の前のゲームに対してリアリストな部分を札幌戦では色濃く見せた。
そうした意味で、今の浦和は高いレベルで様々な要素を兼ね備えたチームという理想からすれば、多くのことが不足しているものの、まずは安定したビルドアップに最も時間と力を割くべきだという判断なのは、近年の姿から理解できる。
ロドリゲス監督からビルドアップへの言及が非常に多い現状は、チームの理想形から見れば初期段階の域を抜けていないのだろう。指揮官の記者会見で別テーマの話題が増えるだけの姿を見せ始めた時、チーム作りは次のフェーズへ入るのではないだろうか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部