J2から5年でACL出場を実現した実績を持つ指揮官は、再びチームを立て直せるか
昨季ホームで未勝利、17位に沈んだチームの立て直しは決して簡単ではないことが明確になった試合であったが、手倉森監督は負けることに慣れてしまったチームをなんとかメンタル面から鼓舞しようとしていた。2008年、J2に定着しかけていた仙台の監督に就任した際も、「5年でACLを目指す」と非現実的と思われる大きな目標を掲げ、13年にそれを実現させた経験があるだけに、今回も敢えて実現するのは難しい大きな目標を提示し、選手の奮起を促している。
「打ちのめされた敗戦から立ち直って、たくましく勝ちを積み重ねている状況をシーズン終盤に示して、この敗戦で強くなれたと言えるようにしたい」と思い描いた通り、右肩上がりの成長曲線を仙台サポーターに見せられるか。大敗ショックも今後への糧へと変えて、手倉森監督は強気で突き進む。
取材・文●小林健志(フリーライター)