11月から入寮しコンディションも安定。早い時期から準備を進め開幕戦へつなげる
それから徐々に評価を高めると、12月上旬には千葉の練習へ参加。高校3年生となった翌年5月にはオファーを受け、上のステージに挑む権利を手に入れた。
ただ、あくまで将来性を評価されての獲得である。現状のままで活躍できるほどプロの世界は甘くない。そこでブワニカは課題だったフィジカルの強化に取り組み、クラブのサポートを受けて食事とトレーニングメニューの改善を目指した。
ただ、あくまで将来性を評価されての獲得である。現状のままで活躍できるほどプロの世界は甘くない。そこでブワニカは課題だったフィジカルの強化に取り組み、クラブのサポートを受けて食事とトレーニングメニューの改善を目指した。
食事のメニューや摂取の方法については、栄養士から助言をもらって見直しに着手。トレーニングではゴムチューブなどを使い、当たり負けしない身体を作るために体幹を鍛えた。効果はすぐには出ず、高校サッカー選手権では都予選の2回戦で敗退してしまう。それでも自身と向き合う作業を続けた。
また、11月上旬には学校と岩本慎二郎監督の理解と協力を得られたことで千葉の寮に入れた点もブワニカの転機となる、午前中はトップチームで練習をしながら、午後は学校で机に向かう。そうした地道な積み重ねが身を結び、コンディションによって4、5kgほど増減していた体重も安定した。
早い時期からプロサッカー選手として戦う準備を進めたことで、1年目の今季はキャンプから安定したパフォーマンスを発揮。その姿勢やパフォーマンスについては、ユン監督も目を細めている。
「チーム内で努力をしてきた選手。何かを吸収してやるという気持ちが出ているし、キャンプからその姿勢があった。なので、今日の結果に結び付いた」
最高のスタートを切った千葉の新鋭。だが、シーズンはまだ始まったばかり。活躍を継続させることに意味がある。本人も開幕戦の結果に満足しておらず、浮かれる様子は見せていない。「チームを勝利に導けないと意味がない」とはブワニカの言葉。伸び盛りのルーキーが、今後どのような成長曲線を描いていくのか楽しみだ。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)