プレスの設定ラインが大きく変わった背景は?
プレスラインの設定位置も大きく変わった点だ。13-14シーズンのチームは、高い位置からプレスをかけるのはホームの試合、しかもその多くは最初の30分に限定され、アウェーではもっぱら自陣に引いて守るスタイルに徹した。
さらに先制すれば、そのまま逃げ切りを図るのが常套手段。こうした戦いを可能にしたのは、当時スペースに走り込む能力においては右に出る者がいなかったジエゴ・コスタを擁していたからで、彼の突進力を活かしたカウンターは抜群の切れ味を誇った。
翻って現チームは昨夏のルイス・スアレスの加入を境に、戦術はその新9番へのサポートを厚くすることに舵が切られ、プレスラインの設定位置も自ずと高くなった。展開に応じてリトリートした守備に切り替えることもあるが、敵陣でプレスをかける形が主流になっている。
戦術とは関係はないが、もう一つ顕著な違いがある。首位を快走してきた現チームに対し、13-14シーズンのチームは、シーズンを通してバルセロナとレアル・マドリーと熾烈な争いを繰り広げていた点だ。当時のバルサとマドリーはそれぞれ全盛期のメッシ、クリスチアーノ・ロナウドという絶対的なエースを擁し、アトレティコはあくまでダークホース的な存在だった。新たなチーム、新たなスタイルで、アトレティコは7年ぶりのラ・リーガ制覇を目指す。
文●ラディスラオ・ハビエル・モニーノ(エル・パイス紙アトレティコ・マドリー番)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
さらに先制すれば、そのまま逃げ切りを図るのが常套手段。こうした戦いを可能にしたのは、当時スペースに走り込む能力においては右に出る者がいなかったジエゴ・コスタを擁していたからで、彼の突進力を活かしたカウンターは抜群の切れ味を誇った。
翻って現チームは昨夏のルイス・スアレスの加入を境に、戦術はその新9番へのサポートを厚くすることに舵が切られ、プレスラインの設定位置も自ずと高くなった。展開に応じてリトリートした守備に切り替えることもあるが、敵陣でプレスをかける形が主流になっている。
戦術とは関係はないが、もう一つ顕著な違いがある。首位を快走してきた現チームに対し、13-14シーズンのチームは、シーズンを通してバルセロナとレアル・マドリーと熾烈な争いを繰り広げていた点だ。当時のバルサとマドリーはそれぞれ全盛期のメッシ、クリスチアーノ・ロナウドという絶対的なエースを擁し、アトレティコはあくまでダークホース的な存在だった。新たなチーム、新たなスタイルで、アトレティコは7年ぶりのラ・リーガ制覇を目指す。
文●ラディスラオ・ハビエル・モニーノ(エル・パイス紙アトレティコ・マドリー番)
翻訳●下村正幸
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