【名古屋】柿谷、齋藤ら大型補強がもたらしたモノ。15日間のキャンプで見えた収穫

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2021年02月14日

既存戦力の充実のパフォーマンス

丸山ら既存戦力も充実の姿。今後、細部を詰めていく。写真:今井雄一朗

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 リーグの話題をさらった大型補強、新戦力の面々は、それぞれに充実した日々を送った。前述のように柿谷や齋藤は既に攻撃陣の主力としての地位を確立しつつあり、それに次ぐパフォーマンスを長澤が見せている。

 木本は序盤を別メニュー調整で過ごしたが、C大阪で培った守備スキルをアップデートさせ、キャンプ終盤にはパフォーマンスを向上させてきた。森下は鳥栖で実績を残した右SBではなく、現状では左SBを主戦場としており、「左でも同じように活躍できたら鬼に金棒」とギラギラした笑顔を見せる。

 そしてボランチ起用されている大卒ルーキーの児玉駿斗は、パサーとしての実力を主戦場のトップ下から一列下がっても発揮しつつ、「ボールを触るようにしたらリズム出てきちゃって、前にも行っちゃう」と新風を吹かせている。
 
 昨季からのメンバーももちろん健在だ。過酷と言っていい昨シーズンを戦い抜いた主力たちにはどこか貫禄のようなものを漂わせ、勝手知ったる“マッシモスタイル”に安定感をもたらしている。

 丸山祐市、米本拓司、稲垣祥、前田直輝、中谷進之介らはチームリーダーとしての自覚も十分で、そこに成瀬竣平や藤井陽也ら若手も確かな成長を示す。チームでも古参の在籍年数となってきた宮原和也は昨季、苦しめられた負傷もすっかり癒え、「サッカーができる喜びを感じている。もちろん開幕スタメンは狙う」と復活を期す。既存戦力の充実も、キャンプで確認できた収穫だった。

 当然のごとくキャンプの充実ぶりがシーズンの結果を保証するものではない。もっとも不安もないように映る。丸山は最終日のオンライン会見で何度も確かめるように「詰めるべきところはたくさんある。細かい作業をして、残り2週間で仕上げたい」と繰り返した。満足もなければ納得もない、あるのはただ追求する心のみ。新戦力がみな“優勝”の言葉を使い、「タイトルを獲る」(中谷)と主力も明確な目標を掲げる今季、その意欲をさらに煮詰めて貪欲にまで高めるような濃厚な日々を糧に、名古屋は2週間後の開幕戦へと向かっていく。

取材・文●今井雄一朗(フリーライター)
 
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