タイ人は先を読む力に優れている!
先ほども言った通り、タイでは交通ルールに対する感覚が日本とは違うのだ。もちろん、交通ルールは大切なものだが、タイではまず事故を起こさないことをなにより優先している。ルールを守っても事故を起こしてはどうにもならないと考えているのだ。
翻って、なぜ日本では事故が多いと感じるのか。ともにタイに住む仲間と討論するうちに、こんな結論に辿り着いた。要するに「自分はルールに守られていると考えて行動する人が多いんじゃないか」と。盲目的にルールを守るのが当たり前で、いつしか自分の身を守るよりルールを守ることのほうに目が向いている……。
ルールは、事故を起こさないためにあるのだ。決してルールを守るためにルールがあるのではない。自分の安全は自分で守る。タイの人々にはそんな考えが自然に浸透しているかのようだ。
だから、周りにいるバイクや車はどういう動きをするか、歩行者はどのタイミングで出てくるか、そういったことを注意深く察知しようとする。高度な(!?)状況判断に裏打ちされたドライビングテクニックといったら本当に凄い。チェンマイに来て、一度スクーターに乗って体感してみたら分かるはずだ(ちなみに僕はまだ運転したことはないが……)。
これだけ先を読むことに長けた国民は実に珍しいし凄いと思うのだが、なぜかサッカーではいまひとつその稀有な能力が活かされていない気がする。個々の先を読む力を、コレクティブに戦う方へと向けられればいいのだが……。こちらの交通事情を見ると、まだまだタイサッカーのポテンシャルを感じ取れるのだ。
そこで気付いたことがもうひとつ。それはまとまり方の違いだ。タイ人は基本的に、各自が勝手に楽しむことでまとまる傾向がある。
先日、日本で言う盆踊りのようなダンスのイベントを見たのだが、その様子がちょっと変わっていた。10以上のグループが勝手にひとつの音楽に合わせて踊るのだ。そこでは各グループが思い思いの異なる踊りで楽しんでいた。それを傍から見ていると実に楽しそうに、まとまって見えるのだ。ひとつの音楽に、違う踊りがまるでオーケストラのように合わさっていた。
チェンマイFCのサポーターもグループがいくつかあり、各グループが思い思い応援をしているらしい。決してひとつにまとまろうとはしないそうだが、僕にはその盛り上がりがひとつの大きな組織としてまとまっているように見えるのだ。
僕は、こうしたエピソードに象徴されるタイ人の国民性、あるいは特徴を活かして、チーム作りのヒントにしていきたいと考えている。
チェンマイに来たことのある人には、きっとピンとくる話だと思う。
2015年4月12日
三浦泰年
翻って、なぜ日本では事故が多いと感じるのか。ともにタイに住む仲間と討論するうちに、こんな結論に辿り着いた。要するに「自分はルールに守られていると考えて行動する人が多いんじゃないか」と。盲目的にルールを守るのが当たり前で、いつしか自分の身を守るよりルールを守ることのほうに目が向いている……。
ルールは、事故を起こさないためにあるのだ。決してルールを守るためにルールがあるのではない。自分の安全は自分で守る。タイの人々にはそんな考えが自然に浸透しているかのようだ。
だから、周りにいるバイクや車はどういう動きをするか、歩行者はどのタイミングで出てくるか、そういったことを注意深く察知しようとする。高度な(!?)状況判断に裏打ちされたドライビングテクニックといったら本当に凄い。チェンマイに来て、一度スクーターに乗って体感してみたら分かるはずだ(ちなみに僕はまだ運転したことはないが……)。
これだけ先を読むことに長けた国民は実に珍しいし凄いと思うのだが、なぜかサッカーではいまひとつその稀有な能力が活かされていない気がする。個々の先を読む力を、コレクティブに戦う方へと向けられればいいのだが……。こちらの交通事情を見ると、まだまだタイサッカーのポテンシャルを感じ取れるのだ。
そこで気付いたことがもうひとつ。それはまとまり方の違いだ。タイ人は基本的に、各自が勝手に楽しむことでまとまる傾向がある。
先日、日本で言う盆踊りのようなダンスのイベントを見たのだが、その様子がちょっと変わっていた。10以上のグループが勝手にひとつの音楽に合わせて踊るのだ。そこでは各グループが思い思いの異なる踊りで楽しんでいた。それを傍から見ていると実に楽しそうに、まとまって見えるのだ。ひとつの音楽に、違う踊りがまるでオーケストラのように合わさっていた。
チェンマイFCのサポーターもグループがいくつかあり、各グループが思い思い応援をしているらしい。決してひとつにまとまろうとはしないそうだが、僕にはその盛り上がりがひとつの大きな組織としてまとまっているように見えるのだ。
僕は、こうしたエピソードに象徴されるタイ人の国民性、あるいは特徴を活かして、チーム作りのヒントにしていきたいと考えている。
チェンマイに来たことのある人には、きっとピンとくる話だと思う。
2015年4月12日
三浦泰年